心と体

2009年11月20日 (金)

水銀汚染とセレニウムについて(6)

日本の特殊事情

 こういう事情もあって、厚生省はセレニウムがガンにも良いということ、水銀毒の中和と排毒にも良いということはわかっていても、自由にサプリメントに入れることは許可できないといわれています。
 このあたりが、スーパーの健康食品売場で自由にセレニウム入り(一粒50μgないし200μg入りのものが多い)のサプリメントが求められるアメリカとは、関係官庁の有りかたに対する官庁自身の考え方の違いが見られます。

糖尿病にも

 セレニウムはこの他、糖尿病にも極めて有効なことが最近わかってきました。(本誌12月号桜井弘・京都薬科大学教授インタヴュー参照)
 セレニウムのサプリメント(クロムも)を自由化させず、慢性微量水銀中毒・ガン多発・糖尿病蔓延を横目でみている厚生省当局はいつになったら、その民族的損失をもたらす選択の誤謬に気がつくのでしょうか?
 すでに水銀によって汚染されてしまった頭脳集団にそれを期待するほうが無理というものでしょうか?

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2009年11月19日 (木)

水銀汚染とセレニウムについて(5)

水銀とセレニウム

 さて、体内で水銀の毒性をブロックしてくれるミネラルとして、セレニウムが知られています。
 セレニウムは、活性酸素消去能でしられるグルタチオンペルオキシダーゼを活性化するミネラル、免疫を担当する白血球がガンに対して有効に闘えるように活力を賦活させるモネラルとして知られていますが、水銀毒性を発揮させないミネラルとしても頼りになるのです。
 電車の中で居眠りする日本人のように脳がすでに水銀汚染されてしまっているケースでは、少なくとも500μgないし700μgのセレニウム摂取は必要ではないかといわれるようになりました。

望ましい
セレニウム摂取量

 いまの日本人のセレニウム摂取量は平均100μgから200μg程度だといわれています。あと、300μgはサプリメントで摂らないと、この望ましい摂取量にはいたりません。
 セレニウムは毎日300
0μg程度摂り続けると特有の毒性も発揮するミネラルなので、定量的な摂取は適切なサプリメントを活用しないかぎり、なかなか難しいからです。

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2009年11月18日 (水)

水銀汚染とセレニウムについて(4)

尿検査・血液検査では
わからない水銀汚染

 メチル水銀は尿からは排泄されません。つまり、尿検査では水銀汚染はわかりません。血液検査は汚染から3日ほどすると、姿を消してしまうので、これも水銀汚染を調べるのには不適です。

毛髪分析で

 頭髪による検査が一番ということになります。頭髪がその成長過程で一旦メチル水銀を取り込むと、その濃度は変らず、毎月一センチ程成長するので、その長さの位置からどれ位の期間、水銀にどの程度汚染されていたかがわかります。

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2009年11月17日 (火)

水銀汚染とセレニウムについて(3)

水銀の体内汚

 さて、このようにして入って来たメチル水銀は、そのほとんどが血液に一旦取り込まれ、4日位で全身の組織にいきわたります。
 水銀は脳との親和性が強く、脳にも入り込んでしまいます。また、頭髪にもこの水銀は取り込まれるので、頭の毛髪を分析してみて、水銀が検出されれば、その250分の1程度が血液での濃度ということがわかります。
 水銀汚染が一過性でなく、連続的におきている時は、一日の摂取量の約100倍が体に蓄積されていると考えられています。
 仮に毎日200μgの水銀を取り続けると、血液中の水銀も約200μg/リットルとなり、毛髪の水銀値は約50μgとなります。

脳障害

 人の脳にたいする悪影響は脳神経のアセチルコリン・レセプターを障害するほか、脳の発達を妨害し、脳の萎縮をもたらします。胎児は大人より、危険度が高いと思われます。
 母親の毛髪水銀が70μg/グラムを越えると、胎児の脳障害は30%以上の確率であらわれるようになりますが、10〜20μg/グラム程度でも5%程度の確率で、胎児の脳障害があわられる危険性があることが分かっています。

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2009年11月16日 (月)

水銀汚染とセレニウムについて(2)

水銀の汚染源

 水銀はこの地球上で年間1万トン程度採掘されており、大気中に放出廃棄される分は2千トンないし3千トンといわれます。
 それはやがて雨と一緒に地上に降り注ぎ、たんぼや畑、魚のいる水域にばらまかれます。
 雨と一緒に降る時は無機水銀でも、微生物の作用で有機化され、メチル水銀になるものがでてきます。

メチル水銀の怖さ

 いったんメチル化されると蛋白と強い結合がおこり、食物連鎖の流れに入り込み、主として肉食性の魚から人間に入ってきます。
 淡水魚としてはマスの仲間、海の魚ではマグロ・メカジキが水銀が多い魚として知られています。これらは非肉食性の鰯、鯖などに比べると、体重比で約10倍程度、濃い濃度で水銀に汚染されています。
 普通500μg/kg程度は水銀に汚染されているのが当たり前のマグロを200グラム食べると、100μgの水銀が体に入ってくることになります。

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2009年11月13日 (金)

水銀汚染とセレニウムについて(1)

日本人の居眠りは

 現代はきわめて便利な時代になりました。しかし、同時に油断すると簡単に健康が脅かされる怖い時代でもあります。
 日本人の場合、他民族に比べ、魚を多く取る関係で知らず知らずのうちに微量水銀に侵されてしまう人が多いのです。
 外国人が日本に来てびっくりすることの一つに、電車の中で多くの人が居眠りをしている光景があるといわれます。識者の間では、これは単に白米ご飯を主食にしていることによるビタミンB群不足だけのせいではなく、水銀などの有害金属が脳に悪影響をおよぼしているせいではないかといわれています。

胎児のリスク

 世界保健機関(WHO)、国際労働機関(ILO)、国連環境計画(UNEM)の三つの組織が設立したIPCS(国際化学物質安全性計画)によると、世界的にも水銀汚染はかなりすすんでおり、特に妊娠中は極く微量でも胎児の脳神経にとっては障害の原因となるケースが、一定の率で出るといわれます。

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2009年11月12日 (木)

リンシャン・スタディーの物語るもの(5)

微量栄養素摂取と
ガン予防の可能性

 この実験で使用されたセレニウム・ビタミンE・ベータカロチンは、アメリカでは自由に店頭販売されているものです。セレニウムなども一粒200マイクログラム入りのものが百粒入りで六千円程度でスーパーなどで自由に売られていますが、日本では自由に販売が出来ません。輸入の時点で薬と認定されて、自由な輸入が規制されます。
 アメリカと日本の厚生当局の方針の違いと言えばそれまでなのですが、自由に買えなくてガンを始めとする病人が増え、医療費高騰の原因になっているのは大いに問題です。
 アメリカが悩んでいる乳がん・大腸ガンに対しては、リンシャンスタディーは直接的な解決策の提供にはなりにくいとしても、抗酸化ビタミンとミネラルであるセレニウム・ビタミンE・ベータカロチンの組合せが遺伝子のガン化からの保護に役立つということは、これらのガンの解決に必ず役立つものとして今後の応用研究が進められていくことでしょう。

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2009年11月11日 (水)

リンシャン・スタディーの物語るもの(4)

リンシャンスタディでの
セレニウム、ビタミンE、
ベータカロチンの投与量

 リンシャンスタディではアメリカのRDA(一日の推奨量)と同じ量、またはその2倍量でテストをしました。
 セレニウム・ビタミンE・ベータカロチンの組合せは、三つの酸化防止剤の組合せが、遺伝子を構成するデオキシリボ核酸を傷つけることを防げるという期待でテストに使われました。
 このテストは1986年3月から1991年5月まで続きましたが、セレニウム・ビタミンE・ベータカロチンの三つの組合せを試したグループでは、2年後からはっきりと違いが現れ始め、リンシャン地方で最大死亡原因であったガン死亡率は大きく下がり始めたのです。
 1991年5月の時点では、食道がんによる死亡数は約4%減少し、胃がんによる死者の数は21%減少しました。
 介入テストの開始時点では、この二つのがんによる死亡だけで、全部のがんによる死亡の87%を占めていました。また、ガンによる死亡率が37%でしたので、この減少は大きく響きます。(脳血管疾患による死亡率は25%)

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2009年11月10日 (火)

リンシャン・スタディーの物語るもの(3)

リンシャン地方の特異性

 ただし、リンシャン地方は、住民の殆どが慢性的な栄養不足状態であること、食道ガンがひどくなって胃の噴門部にまで及ぶという他国ではめずらしいタイプのガンが多いため、リンシャンでの経験はそのまま機械的に他国・他民族には引き移しはできないといわれています。
 リンシャン地方住民の主要な食べ物は、とうもろこし、キビ、じゃがいも、小麦などで、解放後潅漑施設がいくらか整備されたものの、新鮮な果物、肉などの摂り方はとても少ない地域として知られています。
 血液検査などでも、ビタミンA、ベータカロチン、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEなどの水準は、西欧の水準からすると大変低いレベルでした。
 リンシャンは、中国の中でもガン死亡率は10倍高く、アメリカよりも100倍も高い地域であるのは、こういうことと関連があると思われています。
 一方、漬け物とか、ニトロソアミン、熱いお茶を飲む習慣など、胃や食道がんに関連するような原因は、リンシャンでは特別見当たりませんでした。
 たばこはあまり吸う習慣がなく、肺がんは少ない地域です。
 世界の中では、新鮮な野菜・果物を食べている習慣のある地域が胃がんや食道がんが少ないということから、リンシャン地域での栄養介入実験が選択されたという事情があるようです。

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2009年11月 9日 (月)

リンシャン・スタディーの物語るもの(2)

NCIと中国アカデミー
ガン研究所による
大規模臨床実験

 NCIはフィンランドなど他の地域でもフィールドワークを進めていますが、中国でのリンシャン・スタディーは、中国のアカデミーガン研究所が積極的に協力した大規模な臨床実験として注目されていました。
 その結果、セレニウム・ビタミンE・ベータカロチンの組合わせによるサプリメントの飲用が、ガン死亡率をかなり減少させたこと、さらに、ガンだけではなく、一般死亡率も下げたことなど、栄養素の摂取が、死亡率の低下につながるという注目に値するデータを得ました。

微量栄養素の摂取による
ガン予防の可能性

 リンシャン・スタディーには40歳から60歳までの約3万人の住民が参加し、5年後にはガンの死亡率が13%下がり、全体の死亡率も9%下がりました。
 調査にあたったNCIのブロット博士は「ビタミン及びミネラルの摂取は、健全な個人がガンにかかるのを防ぐ助けになるかも知れないという希望に満ちた研究」と論評しています。

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