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2016年2月

2016年2月 3日 (水)

急増する食中毒(4)

対策編 
——根本的食生活改善で腸を元気に——
外遊びと、納豆を多食する子は
感染または発症しなかった
〈中村明子・共立薬科大学客員教授の調査〉
 1996年に起きた病原性大腸菌事件は堺市を始め、全国7校の学校給食で集団被害を出しました。
 堺市の場合、約5万人の児童が同じ汚染給食を食べ、このうちO157に感染したのは1%の550人、さらに入院するほど重症になったのは50名でした。
 同じ汚染給食を食べても、 全く感染しない、 感染しても症状が出ない(健康保菌者)、 発症しても軽い下痢ですむ、 溶血性尿毒症などの合併症で重度の症状や死に至る——とさまざまです。
 この差はどこからくるのか。事件以来、学校給食の現場を歩かれた共立薬科大学の中村明子客員教授は、以下の非常に興味深い調査結果を得ています。
・重症患者の子供は神経質で、超清潔志向の環境で育てられた。
・下校時に1時間以上、屋外で遊んでいる子は感染または発症しにくい。
・1週間に3回以上納豆を食べている子は感染または発症しにくい。
 この調査結果について中村客員教授は「外遊びする子は日頃から雑菌にさらされ抵抗力をつけている。また、納豆は体内で腸内細菌叢を活発化して外から入った菌を排除あるいは毒素を産生させないようにしている。納豆菌の殺菌力も感染予防に役立っている」と話されています。
〈発症率が著しく低かった保育園 ——外遊びに、玄米和食給食〉

 1998年8月にO157の集団感染が発生した福岡市の保育園では、感染者26人のうち発症したのはただ1人で、それも下痢の軽い症状でした。
 この保育園での発症率がきわめて低かったことに注目した保健所の調べでこの園では、
a園児を冬でも裸で砂場で泥んこ遊びをさせ、
給食は「玄米ご飯の和食」中心にしていたことがわかりました。
 給食メニューは他園と比べ、
・野菜類の摂取品目が倍
・海草、魚介類、ごまなどの種実類が多い
・納豆、ぬか(ぬかみそ)漬け、梅干しなど伝統的発酵食品を毎日摂取
・大豆、海草を使った料理が多い
・卵料理がない——という特徴があり、実際の献立例を見ても、
「玄米雑穀ご飯」玄米、もち玄米、もちきび、押し麦の雑穀ご飯
「ひじき納豆」2週間で13回。昼・夕交互に毎日
「野菜料理」和え物、煮物、酢の物が毎食2品以上
「メイン料理」2週間で魚料理16回、肉4回、鶏2回
「漬け物」漬け物(ぬか漬け)または梅干し毎回給食
「大豆・海草料理」冷奴、大豆の甘煮、納豆の和え物、高野豆腐の冷やしあんかけ、厚揚げの昆布巻き、豆腐のごまだれ、大豆のトマト煮、海の幸サラダ、わかめスープ、わかめの酢味噌——と際立って伝統的和食メニューを多用しています。
 この保育園のメニューに九州大学大学院農学研究員の宮本敬久先生は、「納豆や漬け物、ヨーグルト(おやつに出る)などの発酵食品の摂取が、園児の大腸内の常在細菌を活発化し、その結果O157の発症が抑えられたことが考えられる」とコメントしています。
 なお、腸内細菌研究の大家である光岡先生は「成人の腸内細菌の種類は、だいたい4才から6才ぐらいまでに決まってしまう。乳児期はなるべく母乳で育てる」ことが大事だと話されています。

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