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2012年5月

2012年5月30日 (水)

自律神経失調症 ——対策編——(4)

自律神経の健康を保つ日常生活

 この他、過労、暴飲暴食、睡眠不足なども、生体に不自然な生活を強いて自律神経を狂わせます。不規則な生活習慣を改めると共に、日常生活では以下の点に注意しましょう。
●薬 頭痛に対しては鎮痛剤、イライラや不安に対しては精神安定剤など、対症療法的な薬が処方されがちですが、これらの薬剤は結果的には交感神経の緊張を高めて自律神経のアンバランスを招くもとになります。
 なお、甘草という名で多くの漢方薬に調合されているグリチルリチン酸には、副交感神経を刺激する作用があるといわれています。
●運動 ウォーキングやハイキング、サイクリングなど、自分が楽しいと感じる軽めの運動は、心身のリフレッシュに効果的です。
 ただし、闘争的で勝敗を争うようなハードなスポーツは、精神的・肉体的ストレスとなって交感神経を刺激するので逆効果です。スポーツ嫌いの人が健康のために嫌々運動をしたり、スポーツ好きの人が取り憑かれたようにトレーニングに励むのも良くありません。
●入浴 39℃前後のぬるめのお湯に下半身だけのんびり浸かる半身浴は、副交感神経を優位にします。逆に、42℃以上の高温浴では、交感神経が刺激されてしまいます。
●笑う 笑いには、ストレスを解消して副交感神経を優位にし、免疫力を高める効果があります。「元気で長生き研究所」の昇幹夫先生は、笑いは、 食欲を増進し、消化吸収を高め、 腹筋や胸筋を動かし、 腹式呼吸で酸素を十分取り込み、 心を明るくさせて免疫力を高めると説明しています。
●爪もみ 直接的に副交感神経を刺激し、リンパ球を増やす手当法としては、「福田—安保理論」をもとに編み出された爪もみ療法(写真)がおすすめです。手足の先端や頭頂部には神経線維がたくさん集まっており、わずかな刺激で効果的に自律神経を刺激することができます。
 ここにご紹介した他にも、カラオケやアロマテラピーなど、自分なりのストレス解消法をみつけて気分転換を図り、交感神経と副交感神経のバランスを整えて、自律神経失調症を予防・改善しましょう。
—・—・—・—・—・—・—・—
◎参考文献
・『自律神経失調症を治す本』
村上正人・則岡孝子著、主婦と生活社
・『未来免疫学』
安保徹著、インターメディカル
・『ガンはここまで治せる』
福田稔著、マキノ出版
・『ストレスと免疫』
星恵子著、講談社ブルーバックス
・『スポーツは体にわるい』
加藤邦彦著、光文社カッパサイエンス
・他

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2012年5月24日 (木)

自律神経失調症 ——対策編——(3)

●抗酸化物質 ストレスで交感神経が緊張すると、それと連動して白血球の顆粒球が増加し、活性酸素が過剰に産生されます(図)。
 活性酸素の被害を食い止めるために、ビタミンACE、抗酸化酵素を活性化させる亜鉛、銅、マンガン、セレン、鉄などのミネラル、フラボノイド、ポリフェノールなどの植物性生理活性物質をしっかり確保しておきましょう。
 自然に即した食生活を これらの栄養素は、ファストフードやコンビニ食、インスタント食品などに偏った現代型の食生活では欠乏しがちな上、何かとストレスの多い複雑な現代社会では、普通の食事をしていても、とても十分にはとることができません。
 そこで、ビタミン・ミネラル・生理活性物質が総合的にバランスよく含まれたサプリメント(栄養補助食品)を利用して、三度の食事の度に栄養素を100点満点にすることが望まれます。
 この他、ヒト本来の食性からかけ離れた食生活は、体がそれに対応しきれず、自律神経のバランスを崩す元になるので要注意です。
●白砂糖のとり過ぎは危険
 ストレスを感じた時、それをケーキや菓子類など、甘いものの“気晴らし食い”で解消しようとする人が目立ちます。
 しかし、白砂糖のとり過ぎで血糖値が急上昇すると、膵臓からインスリンが大量に分泌される反動で低血糖症に陥り、かえって体がだるくなったりイライラがつのります。さらに、低血糖状態から抜け出そうとして副腎からアドレナリンが大量に分泌されるため、自律神経のアンバランスに拍車をかけてしまいます。
 白砂糖のとり過ぎはまた、神経系に重要なビタミンB群やカルシウムを大量に消耗してしまいます。
●卵・牛乳・肉・植物油を避ける
 交感神経の緊張は血流障害を引き起こしますが(図)、肉・卵・牛乳などの動物性食品や、紅花油などのリノール酸系植物油のとり過ぎも、血液を粘らせて血流障害を促進します。
 血流を回復して自律神経のバランスを整えるには、こうした食品を避けると共に、納豆、玉ネギ・ニンニク、脂肪酸ではシソ油や亜麻仁油に多いα—リノレン酸、青魚のDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などを積極的に取り入れていくと良いでしょう。
●ゆっくりと食事を楽しむ
 自律神経を正常に機能させるためには、食事は毎日決まった時間にとるなど、生活にリズムをつけることが大切です。寝る直前に食べると、睡眠・休息をつかさどる副交感神経が食物の消化・吸収に労力を割かれ、自律神経のバランスを崩しやすくなります。
 また、家族や友達と楽しくリラックスして食事をしている時は、副交感神経が優位になって食物の消化・吸収が促進されます。反対に、時間に追われて慌ただしく食事を済ませたりしていると、交感神経が優位になって胃腸の活動は抑えられてしまいます。世界的にも今、合理化を追求した“ファストフード”から、ゆっくりと食事を楽しむ“スローフード”を目指す動きが広がっています。

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2012年5月16日 (水)

自律神経失調症 ——対策編——(2)

●蛋白質 ストレスに対抗するためのエネルギー源として、胸腺やリンパ腺の蛋白質が引き出され、分解が促進されます。胸腺やリンパ腺が萎縮すると、免疫力・抵抗力は著しく低下してしまいます。
 良質のアミノ酸は、穀類と豆類の植物性蛋白質の組み合わせで確保するのが望ましく、本誌では消化吸収の面から、「麦ご飯+納豆・味噌汁」を基本とした食事をすすめています。
●パントテン酸、ビタミンC 共に“抗ストレスビタミン”として知られ、ストレスで激しく消耗されるビタミンです。
 ストレスを受けると副腎から副腎皮質ホルモンやアドレナリンが分泌されてストレスに対する抵抗力を強めますが、パントテン酸やビタミンCには副腎の機能を高め、ホルモンの合成を促す働きがあります。
●ビタミンB群 パントテン酸以外のビタミンB群も自律神経の働きを正常に保つのに不可欠です。Bは神経細胞のエネルギー源となるブドウ糖を代謝し、Bは神経伝達物質の合成にかかわり、B12は自律神経の修復を助けます。
●ビタミンA 自律神経失調症をはじめ、胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群など、ストレス性の病気の患者は血液中のビタミンAが健康な人に比べて20〜30%少なく、ビタミンAの投与で7割に何らかの症状の改善が認められたことが、霞ヶ関ビル岩井診療所の野村喜重郎先生の研究で明らかになっています。
●カルシウム、マグネシウム ストレスによって腎臓の働きが低下すると、尿中にカルシウムやマグネシウムが排泄されやすくなります。カルシウム・マグネシウムには神経細胞の興奮を鎮める作用があり、不足するとストレスへの耐性が低下します。

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2012年5月15日 (火)

自律神経失調症 ——対策編——(1)

 自律神経のアンバランスは、頭痛やめまい、微熱といった単なる自律神経失調症をもたらすだけでなく、がんや動脈硬化、自己免疫疾患など、万病の元にもなります。/Users/shizenshoku/internet/仙石家.txt
 食事・栄養療法を中心に、日常生活全般から自律神経のバランスを図る方法について考えてみましょう。

自律神経の健康を保つ
食事・栄養療法ストレスで消耗される栄養素を

しっかり確保 前回お話ししたように、自律神経の交感神経と副交感神経のバランスを崩し、自律神経失調症の引き金となるのがストレスです。
 ストレスを受けると体の中ではさまざまな栄養素が消耗されますが、ストレスの多い人ほど、食欲がなかったり、忙しくて食事時間がとれない等の理由で食生活がおろそかになりがちです。いざストレスがかかったときに素早くそれに対処できるよう、日頃から抗ストレスに働く栄養素を十分に確保しておくことが大事です。

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2012年5月14日 (月)

自律神経失調症——病気のおこる仕組み——(5)

 さらに、交感神経の緊張で白血球の顆粒球が増え、それによって顆粒球が放出する活性酸素も過剰に生成されます。過剰な活性酸素は組織破壊を引き起こし、これによってもがんや動脈硬化など多くの病気が引き起こされます。
 このように、ストレスがもたらす自律神経のアンバランスは、単なる自律神経失調症をもたらすだけではなく、万病の元にもなるのです。
 次回は、食事・栄養療法を中心に自律神経の調整に有効な生活習慣の改善、有効な手当法などをご紹介します。
—・—・—・—・—・—・—・—・—・—
◎参考文献
・『よくわかる自律神経失調症の治し方』
筒井末春監修、池田書店
・『未来免疫学』
安保徹著、インターメディカル
・『ガンはここまで治せる』
福田稔著、マキノ出版
・『ストレスと免疫』
星恵子著、講談社ブルーバックス
・他

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2012年5月 7日 (月)

自律神経失調症——病気のおこる仕組み——(4)

自律神経のアンバランスは万病の元

 また、自律神経は内臓の働きを調節するだけでなく、免疫を司る白血球の働きをも調整しており、自律神経の乱れがもたらす白血球のアンバランスが、がんや動脈硬化、自己免疫疾患など、さまざまな病気の引き金となることは、本誌の10月号(・334)と本号の巻頭インタビューでくわしく紹介している「福田—安保理論」で明解です。
 ストレスが加わると、自律神経系では交感神経が刺激されてアドレナリンが分泌されます。体がアドレナリン浸けになると、アドレナリンには血管を収縮させて血流障害を引き起こす作用があるため、冷え症、高血圧、心筋梗塞などの循環器系疾患をおこしやすくなります。
 また、ストレスがかかると内分泌系では脳下垂体から副腎皮質刺激ホルモンが分泌されます。副腎皮質ホルモンのコルチゾールにはリンパ球などの免疫細胞を障害する作用があり、また、副交感神経が抑制されることでもリンパ球は減少します。その結果、風邪などの感染症をはじめ、がん、リウマチや膠原病などの自己免疫疾患になりやすくなると考えられています。


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2012年5月 1日 (火)

自律神経失調症——病気のおこる仕組み——(3)

・警告反応期
 生体がいきなりストレスに出合うと、まず「ショック相」を示します。血圧も体温も血糖値も下がり、筋肉の緊張も低下し、胃潰瘍や十二指腸潰瘍がおこりやすくなります。ストレスが生体にとってあまりにも激しい場合は死に至ることもあります。
 しかし、ゴムボールに圧力をかけると跳ね返そうとするように、次の段階では生体もストレスに対する防御反応として「反ショック相」を示します。血圧も体温も血糖値も高まり、筋肉も緊張して、あらゆるストレスに対抗しようとします。
・抵抗期
 さらに圧力をかけるとボールは凹みますが、中の空気圧によってかろうじて持ちこたえます。生体もストレスに対してかろうじてバランスを保っている状態です。しかし、当面のストレスには抵抗を示しますが、その他のストレスには抵抗力が低下してきます。
・疲憊期 さらに圧力が加えられると、ボールは凹んだままで弾力を失ってしまいます。生体もこれ以上耐えることができなくなり、「疲れがとれない」、「不眠」、「うつ」などの深刻な症状があらわれます。

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