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2012年4月

2012年4月26日 (木)

自律神経失調症——病気のおこる仕組み——(2)

 自律神経の働き まず、自律神経についてご説明しましょう。
 神経系には、手足の筋肉を動かす「運動神経」、痛みなどの感覚を脳に伝える「知覚神経」、そして、内臓や血管、内分泌腺、汗腺などの働きを無意識のうちにコントロールしている「自律神経」があります。
 自律神経は「交感神経」と「副交感神経」からなり、交感神経が優位になると心臓の拍動が増え、血管が収縮して血圧が上がり、心身共に活動態勢になります。一方の副交感神経が優位になると、心臓の拍動は緩やかになり、血管が拡張して血圧が下がり、心身は休息状態になります。
 このように、自律神経は交感神経と副交感神経の拮抗する働きがバランスをとって内臓の働きを調整しています。このバランスが崩れると全身にさまざまな症状が出てくるのです。過剰なストレスが問題 自律神経のバランスを崩す元凶となるのがストレスです。
 ストレスそのものは悪玉ではなく、本来、私たちの体を守ってくれる生体防御反応の一つです。外敵や危機に遭遇したとき、生体は血糖値や血圧を上げてエネルギーを高め、心身を緊張させ、闘争や逃走に備えます。つまり、適度なストレスは人を奮い立たせ、やる気をおこさせるなど、プラスの方向に作用するのです。
 しかし、適応範囲を越えた過剰なストレスや、慢性的なストレスは、生体にマイナスに作用します。
 医学に初めてストレスの概念を導入したカナダのハンス・セリエ博士によると、ストレスとは、ゴムボールを指で強く押したときにボールが凹んでゆがむように、生体にさまざまな刺激が加えられたとき、それを防衛しようとする適応反応がおこって心や体がゆがんだ状態をいいます。
 過剰なストレスが続くと、生体の反応は次のように変化すると考えられています。

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2012年4月25日 (水)

自律神経失調症——病気のおこる仕組み——(1)

 「自律神経失調症」は正式な病名ではなく、原因となる身体的な異常がみつからないさまざまな心身の不調に対して便宜的に用いられている言葉です。
 その症状の多くは不定愁訴として片付けられがちですが、自律神経失調症は、自律神経の交感神経と副交感神経のアンバランスが原因となっておこってきます。

自律神経の異常でおこるさまざまな症状

 自律神経失調症では、だるさやめまいなどの全身症状、不安感やイライラなどの精神症状、その他、頭痛・耳鳴り・肩こり・下痢・便秘など、各臓器や器官ごとにさまざまな症状があらわれます(図)。
 誰でも疲れたときに軽いめまいや頭痛をおこすことはありますが、自律神経失調症ではこうした症状が慢性的になり、日常生活に支障を来すケースも多く見受けられます。しかし、検査をしても明らかな異常は発見されないため、周囲から「気のせい」と言われたり、病院でも鎮痛剤や精神安定剤の処方など、対症療法的な治療しかしてもらえないのが現状のようです。
 この他、腹痛・下痢・便秘などをくり返す「過敏性腸症候群」、立ちくらみやめまいをおこす「起立性調節障害」、突然息苦しくなって過呼吸に陥る「過換気症候群」なども自律神経失調症の仲間とされています。
 これらはすべて自律神経の働きに関係する症状です。自律神経のネットワークは全身に張りめぐらされているので、ある部分が変調をきたすと一見関連のない他の部分にまで影響が及び、一人でいくつもの症状を抱え込んでしまう人も少なくありません。

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2012年4月20日 (金)

膠原病——対策編——(4)

〈注目の成分——DHEA〉
 DHEAは副腎から分泌される男性ホルモンの一種で、思春期以降、加齢と共に減ることが分かっています。
 DHEAを補充することで老化にブレーキをかけたり、成人病や自己免疫疾患の改善効果が期待されており、全身性エリテマトーデスのマウスにDHEAを投与した研究では、検査所見が改善し、寿命が延びたというデータが出ています。
〈酸床、苦味、辛味、アルコールを 賢く利用〉
 酸っぱいもの、苦いもの、辛いもの、アルコールなどは、少量とると副交感神経が刺激されます。これらは一種の″毒〃なので、体が副交感神経を活性化させて血流を増やし、排泄を促すのです。
 効果があるのはあくまでも少量とった時なので、とり過ぎは禁物です。
||・||・||・||・||・||
◎参考文献
『未来免疫学』
安保徹著、インターメディカル刊
『難病を治す驚異の刺絡療法』
福田稔著、マキノ出版刊
『健康は「呼吸」で決まる』
西原克成著、実業之日本社刊、他

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2012年4月19日 (木)

膠原病——対策編——(3)

膠原病の改善に役立つ食事・栄養療法〈血流を良くする食事因子〉

 肉・卵・牛乳などの動物性食品や、紅花油などのリノール酸系植物油は、血液をネバネバにして血流を悪くし、交感神経の緊張を高めるもとになります。
 反対に、納豆や、玉ネギ・ニンニク、脂肪酸ではシソ油や亜麻仁油に多いα−リノレン酸、青魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などが、血液をサラサラにしてくれます。
 水分を常時切らさずチビチビとることも重要です。
〈抗酸化物貿の確保〉
 抗酸化ビタミンACEや、抗酸化酵素を活性化するセレン・亜鉛・銅・マンガン・鉄などのミネラル、植物性生理活性物質のポリフェノール・フラボノイド・カロチノイドなどは、体内で活性酸素の炎症を鎮めます。
 これらの微量栄養素は優れた抗酸化物質であると同時に、次のような働きもあります。
●ビタミンC すでにお話しした通り、ノーマン・カズンズ氏はビタミンCの大量療法で膠原病を克服しました。ビタミンCはコラーゲン(膠原線維)の合成と維持に不可欠で、全身の惨原線維がやられる膠原病では特にしっかり確保したい栄養素です。
●ビタミンE 血行を促進する作用があり、血管の収縮でおこる痛みやレイノー症の改善に役立ちます。
●セレン・亜鉛 胸腺の老化を防ぎ、免疫力を高めます。
●カルシウム・マグネシウム
 強皮症では、皮膚や筋肉、臓器中のカルシウムが過剰になって石灰化していますが、これはカルシウムとマグネシウムの不足で脱灰(骨からカルシウムが抜け出す)が進んでいるためです。
 植物性食品を中心とした昔ながらの伝統的な和食は、カルシウムとマグネシウムのバランスが良いことが分かっています。サプリメント(栄養補助食品)を利用する場合も、それぞれを単独でとるより、両者がバランス良く含まれている総合タイプのサプリメントを選ぶと良いでしょう。

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2012年4月18日 (水)

膠原病——対策編——(2)

・ストレスを取り除く
 過労・睡眠不足・暴飲暴食などの不規則な生活、心の悩み、環境汚染——などのストレスはすベて、交感神経を緊張させ、血流を阻害するもとになります。
 無理な生活習慣を正すと共に、適度な運動(闘争的で、筋肉痛が続くようなハードな運動は逆効果)や、半身浴(39℃前後のぬるめのお湯に鳩尾から下だけ20〜30分浸かる)などで血行促進と気分転換を図ると、交感神経の緊張が和らぎます。
 笑いも、ストレス解消と血流回復、免疫カアップに大いに効果的です。米国のジャーナリスト、ノーマン・カズンズ氏は、笑い療法とビタミンCの大量療法で膠原病を克服したことで知られています。
・刺絡療法等で免疫系を調える
 交感神経を緊張させる薬やストレスなどの要因を取り除くと同時に、積極的に副交感神経を刺激することも重要です。
 安保先生と一緒に自律神経と免疫の関係を研究され、多くの臨床成果を上げられている福田医院の福田稔先生は、手足の指の爪の生え際の角(井穴)を刺激する刺絡療法をはじめ、血流停滞の箇所を注射針やレーザーで刺激して血流を回復し、免疫を上げることで、膠原病をはじめ多くの病気を治療されています。
 井穴を刺激して痛みが生じると、痛みを排泄するために副交感神経が活性化し、交感神経の緊張が解消されます。白血球のバランスも修正され、リンパ球が増えて免疫力が回復します。
 家庭でも応用できるので、ぜひ試されて下さい。

免疫系にダメージを与える
口呼吸etc.

 また、本誌連載中の日本免疫病治療研究会の西原克成先生は、免疫系にダメージを与える生活習慣として、第一に口呼吸、さらに片噛み・冷たい物中毒、間違った寝相などをあげられ、それらを徹底的に改めることで多くの免疫病が改善し、最後には完治することが多いとしています。



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2012年4月17日 (火)

膠原病——対策編——(1)

 難病とされる自己免疫疾患も、発症のしくみを正しく理解することで予防・改善への道が見えてきます。
 前回ご紹介した最新の免疫学の研究をもとに、生活習慣の見直しや、食事・栄養療法から膠原病対策を考えてみましょう

生活習慣の見直しが大事
自律神経のパランスを図る

 前回ご紹介したように、新潟大学医学部の安保徹教授は、病気のほとんどは、交感神経が優位になって免疫細胞がアンバランス(リンパ球の減少、顆粒球の増加等)になり、さらに、それによってもたらされる血流障害や、活性酸素の暴発等がかかわって起きると説明されています。ですから、膠原病はもとより免疫病、さらに万病は、自律神経の交感神経と副交感神経のバランスを整え、血流を回復することが真の治癒をもたらすポイントになります。
・薬をやめる
 膠原病のような自己免疫疾患では、異常な免疫反応を抑えるための免疫抑制薬がよく使われますが、この薬には血流を阻害する作用があります。
 また、自己免疫疾患は免疫の異常亢進ではなくむしろ免疫抑制の極限状態にあるので、このような薬を使うことで逆効果になってしまいます。
 ステロイド剤(副腎皮質ホルモン薬)も、血流を阻害して冷やすことで消炎効果を発揮する薬です。体内に蓄積する性質があり、変性して酸化コレステロールになると、その酸化作用によって交感神経の緊張、ひいては血流阻害、顆粒球増加による活性酸素の暴発を招いてしまいます。
 ステロイド剤の使用をやめると関節痛や発熱などの激しいリバウンド現象があらわれますが、これは血流が回復して治癒に向かうための副交感神経反射で、これを乗り越えなければ真の治癒には至りません。ただし、ステロイド離脱は危険を伴うので必ず医師の管理下で行って下さい。
 非ステロイド消炎鎮痛剤は、体内でプロスタグランジンという痛み因子が出来るのを抑えますが、プロスタグランジンには交感神経の緊張を抑え、血管を拡げて血行を良くする作用があるので、結果的には痛みの原因である血行障害を促進してしまいます。

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2012年4月16日 (月)

膠原病——自己免疫疾患がおこるしくみ——(8)

・寝相・短時間睡眠
 骨髄には免疫の要の造血の場があるので、横向き寝や俯せ寝で背骨が曲がるとさらに免疫病になりやすくなります。
 しかも、人間は立っているときは体を支えることにエネルギーが使われ、仰向け寝で骨休め(休養)しているときだけ骨髄で造血が行われるので、3〜4時間の短時間睡眠では白血球が十分につくられず、バイ菌を消化するどころか逆にバイ菌をうつされて、骨髄や全身の関節頭の白血球造血巣にバイ菌が蔓延してしまいます。
 骨は単なる骨格ではなくエネルギー物質でできているので、細胞レベルのエネルギー代謝が障害される免疫病では、主として骨や軟骨、その基であるコラーゲンが冒されるのだと、西原先生は説明しています。
 そこで、自己免疫疾患の予防・改善には、“免疫系にダメージを与える生活習慣の見直し”が重要になります。
—・—・—・—・—・—・—・—
 難病とされる自己免疫疾患も、発症のしくみを正しく理解することで予防・改善への道が見えてきます。
 今回ご紹介した最新の免疫学の研究をもとに、次回は食事・栄養や生活習慣の改善などから、膠原病対策を考えてみたいと思います。

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2012年4月13日 (金)

膠原病——自己免疫疾患がおこるしくみ——(7)

間違った体の使い方が免疫病を招く

・口呼吸
 本誌連載中の日本免疫病治療研究会会長の西原克成先生は、間違った体の使い方、特に口呼吸が免疫病の最大の危険因子だと警告しています(表)。
 鼻呼吸には粘液で細菌をとらえたり空気を加湿する役割がありますが、口呼吸をしているとこの鼻の機能が低下し、鼻と喉の奥にある白血球をつくる扁桃リンパ輪が乾燥して、そこにバイ菌やウイルスがはびこりやすくなります。
 免疫力とは「白血球による消化力」のことですが、扁桃リンパ輪に多くの細菌が巣くうようになると白血球の中に消化しきれないバイ菌が入り込み、バイ菌の遺伝子と白血球の遺伝子との複合作用で、本来の白血球の核酸とは少し性質の違う細胞ができます。
 すると、これを抗原とする抗体、つまり自分自身に対する自己抗体がつくられ、自己免疫疾患を引き起こすと考えられます。

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2012年4月 5日 (木)

膠原病——自己免疫疾患がおこるしくみ——(6)

膠原病患者はNKT細胞が少ない

 なお、胸腺外分化T細胞の中にはNKマーカー陽性のものがあり、これはNKT細胞と呼ばれています。
 膠原病患者の血液中にはNKT細胞が少ないことから、NKT細胞は自己免疫疾患の抑制に働くのではないかと注目されていますが(図)、NKT細胞も自己反応性をもつので、ある場面では自己免疫疾患の促進因子になる可能性があると、安保先生は指摘しています。

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2012年4月 3日 (火)

膠原病——自己免疫疾患がおこるしくみ——(5)

 胸腺外分化T細胞には次のような特徴があります。
・胸腺以外の場所で分化する
 T細胞は胸腺でのみ分化するものと考えられていましたが、90年に安保先生が肝臓で独自に分化するT細胞を発見され、この他にも、腸管や子宮粘膜などで分化するT細胞がみつかっています。
 この発見によって、リンパ球が「NK細胞↓胸腺外分化T細胞↓胸腺由来T細胞」の順に進化したことが明らかになりました。
・交感神経優位時に働く
 古いタイプのリンパ球であるNK細胞と胸腺外分化T細胞は、顆粒球と同じようにアドレナリンレセプターを持ち、アドレナリンが分泌される自律神経の交感神経優位時に働きます。
・自己反応性がある
 胸腺外分化T細胞には自己反応性(自己応答性)があり、自爆死したり細菌感染でやられたような異常な自己細胞を除去する役割を果たしていると考えられます。 交感神経の緊張が続くと危険 老化、感染症、ストレス、妊娠、発がんなどは、いずれも自律神経の交感神経優位の状態にあり、胸腺が萎縮して通常の免疫システムが抑制されます。その代わり、胸腺外分化T細胞やNK細胞の活性化が認められ、これは、ウイルスやストレスによって生じる異常な自己細胞を速やかに排除するための、生体にとって有利な反応と考えられます。
 しかし、交感神経の緊張状態が続くと、その自己反応性がむしろ生体に不利に働くようになり、さらに、顆粒球の増加による活性酸素の放出と相まって、自己免疫疾患の発症を招くと安保先生は指摘しています。
 実際、膠原病の発症前に風邪の症状や過労、精神的ストレスがあったという患者は多くみられます。また、慢性関節リウマチ患者の末梢血ではリンパ球の減少と共に顆粒球の増加が認められ、関節液中の炎症細胞も95%以上が顆粒球で、残り5%も胸腺外分化T細胞が大部分を占めることが確認されています。
 つまり、“交感神経を緊張させる因子を避け、副交感神経優位の状態にすること”が、自己免疫疾患解決の鍵となるわけです。

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