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2009年3月

2009年3月31日 (火)

『もう肉も卵も牛乳もいらない!』を読む(27)

発ガンのスイッチ ON・OFF

 キャンベル教授のチャイナ・ヘルス・プロジェクトは肉類だけでなく、すべての動物性タンパク質にはがんを促す可能性があることを示しています。キャンベル教授は他の研究の成果も併せて考え、発がん現象は動物性タンパク質によって「スイッチ」が入り、植物性タンパク質によって「スイッチ」が切られると表現しました。

 「身体が1度必要なタンパク質(食事全体の8%から10%)を確保すると、過剰なタンパク質は前がん性病変と腫瘍の栄養になり始めるようだ」

 平均的なアメリカ人の食事は必要量の2倍以上のタンパク質を含んでおり、その多くは肉、卵、乳製品によっています。

 マーカスさんはキャンベル教授に肉類、牛乳、そして卵の安全な摂取量とはどれくらいかを聞いてみた。

 「リスクは最初の一口から始まり、食べるごとに増えていくと思います。人によって反応は違いますが、最も安全な食事は完全なヴィーガン食です」


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2009年3月30日 (月)

『もう肉も卵も牛乳もいらない!』を読む(26)

肉食とフリーラジカル
〜凶悪なHA〜

 フリーラジカルは生物学の辻強盗のようなもので、健康な細胞から酸素分子を盗もうとして体内を徘徊し、細胞膜を破って侵入する。フリーラジカルにやられた細胞のDNAは傷つくことがあります。こうした細胞が分裂すると、傷ついたDNAのためにがん細胞になることもあります。

 凶悪なフリーラジカル群の多くはHAと呼ばれるアミンです。HAは肉を料理したときに生まれます。ある研究グループはさまざまなファーストフード店から買った肉のHAを調査しました。その結果ハンバーガー店によって、突然変異を促す力は10倍以上も違っていることが分かったそうです。他のフリーラジカルと同じく、HAの生成は料理の温度と回数が増えるほど増加します。肉を常食する人々は発がん率が高いのです。

 「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」に発表された成人6000人を対象とした調査では肉を食べる人はベジタリアンの2倍もがんで死ぬ確率が高いとされています。食事以外のライフスタイル要因を調整してもやはりベジタリアンががんで死ぬ率は肉を食べる人より40%も低いのです。

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2009年3月27日 (金)

『もう肉も卵も牛乳もいらない!』を読む(25)

米国のがん調査

 2000年1月、米国立がん研究所は、より大規模で綿密に設計された米国での調査結果を発表し、そこでは実際に食事法によって前立腺がんのリスクを大幅に減らすことができることを明らかにしました。

 果物の摂取と前立腺がんのリスクの間にはつながりが見いだせなかったのですが、野菜の影響は大でした。

 野菜を日に少なくとも三盛り食べる人は、日に一盛りも食べない人に比べて、前立腺がんのリスクが48%も低かったのです。加えて、アブラナ科の野菜、たとえばブロッコリーやキャベツは、他の野菜よりもより大きな予防効果を発揮することが分かりました。

 植物に含まれる抗がん作用因子を特定するのは思いのほか難しかったのですが、反面、動物性食品に含まれるがんのリスクを増やす物質の特定は順調に進んでいます。1980年代と90年代を通じて、生化学者らは動物性食品は発がんを促したり、その進行を早める多くの化合物を含むことを発見しました。

 研究者が今とくに注目しているのはフリーラジカルで、これは料理した肉類によく見られる分子群です。1980年代初頭に見つかって以来、その働きが分かるにつれて科学界の関心はつのる一方です。


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2009年3月26日 (木)

『もう肉も卵も牛乳もいらない!』を読む(24)

植物性食品の多食と疾病率の低下

 一方、より多くの植物性食品を含んだ食事をとっている人ほど疾病率は低かったのです。

 「ごく単純にいって動物性食品を植物性食品で置き換えるほど、より健康になれるはず」とキャンベル教授はいっています。

 「私は今や純菜食のヴィーガン食が理想の食事と考えています。ヴィーガン食、とくに低脂肪のそれは病気のリスクを大幅に減らすのです。さらにヴィーガン食には欠点が見当たりません。ヴィーガンはベジタリアンと非ベジタリアンのどちらと比べても、どんな観点からも同等もしくはそれ以上の健康を享受しているようです」
 米国では、食事は今や死に至るがんの主因(原因の35%)と目されています。
 乳がんは米国では非常に大きな脅威ですが、研究では食事によってリスクが減ることが示唆されています。米国では乳がんによる死亡率がメキシコの3倍、日本の4倍、そして中国の5倍に上ります。こうした率はそれぞれの国の食事に含まれる動物性食品の量に密接にかかわっています。

 1996年のある調査も、栄養が乳がんに果たす役割について調べています。64の食品カテゴリーを調べた上で、乳がんに関わる4つの食品カテゴリーが洗い出されました。肉、赤身肉、飽和脂肪、そして総脂肪です。中でも赤身肉の関連が最も深かったのです。

 1996年に行われた別の調査では、野菜をたくさん食べる女性ほど、やや乳がんになりにくいとの見解も出されました。

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2009年3月25日 (水)

『もう肉も卵も牛乳もいらない!』を読む(23)

脂肪と動物性食品が疾病率を上げる
〜ぜいたく病〜

 このプロジェクトの統計分析を担当したのは世界的統計学者の1人リチャード・ピートウ氏でした。チャイナ・ヘルス・プロジェクトにおける、彼の統計分析での主な発見は、脂肪や動物性食品の消費が最も少ない人々はがん、心臓発作、その他いくつかの慢性的な退行性疾病の発生率が著しく低いことでした。

 キャンベル教授はこの統計結果を尊重する暮らしに切り替え、次第に、動物性食品を避けるように提言するようにもなりました。

 貧しい中国の田舎の人々はいわゆるぜいたく病にかかる率が劇的に低い傾向にありました。ぜいたく病とは、たとえば糖尿病、心臓病そして結腸、胸、肺などのがんなどです。

 がんやぜいたく病が共通して高率で発生するのは、得てして、より豊かで都会的な地域でした。

 こうした場所では収入とライフスタイル上の理由で、脂質、肉類、その他の動物性タンパク質をより多く消費していました。

 さらにがんや他の病気の高い発生率は、血中の総コレステロールや尿素窒素の値に直結していました。

 高いコレステロール値は脂肪、動物性タンパク質、そして肉を食べているからと考えられます。タンパク質が代謝された後に残る尿素窒素値が高いことは、過剰なタンパク質摂取を意味しています。肉類、卵、そして牛乳を多くとる人々は、タンパク質をとり過ぎる危険に瀕しているとキャンベル教授は警告しています。いわく

「私たちが発見したのは、高い血中コレステロール値は、一貫してさまざまながんに関係していることです。白血病、肝臓、結腸、直腸、肺、そして脳のがんです」

 チャイナ・ヘルス・プロジェクトのデータは、コレステロール値と尿素値がともに上がると、がん、心臓病、そして糖尿病の発生率もそれにともなって上がることを如実に示していました。この調査はまた、食事中のわずかな量の動物性食品さえ、疾病率を大きく上げることを示していました。

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2009年3月24日 (火)

『もう肉も卵も牛乳もいらない!』を読む(22)

チャイナ・ヘルス・プロジェクト

 1980年代、中国政府が米国立がん研究所の資金を得て主導したチャイナ・ヘルス・プロジェクト。

 これはほぼ間違いなく、これまでで最も重要な食事研究といえるものですが、これを指揮したコーネル大学のキャンベル教授は、統計の結果、動物性食品と脂質の食事が、がんや血管心臓病のリスクを増やすことに気づき、自分自身の食事も完全菜食にしていった事情がよく分かるように、この章で紹介されています。

 大規模な栄養調査であるチャイナ・ヘルス・プロジェクトに関しては、ニューヨークタイムズ紙も疫学調査のグランプリだとたたえています。また、ハーバード大学の栄養学の名誉教授マーク・ヘグステッド教授も、これまで試みられた食事と進行性の疾病の関係を探る研究の中で最も包括的な研究であると評価しています。

 著者のエリック・マーカスさん自身も「中国は食べ物が健康にどう影響するかを研究するには格好の場所だろう。この国の人々は地元でとれる作物に依存して生活しているため、食事内容と疾病は地域によって大きく異なる。だからさまざまな村での疾病率を比較すれば、最も健康的な食事療法がわかる」と評価しています。

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2009年3月23日 (月)

『もう肉も卵も牛乳もいらない!』を読む(21)

ヒトのカルシウム吸収は脂肪が妨害
牛乳ではうまくいかない理由は
東大名誉教授星猛先生が解明

 牛乳だと、何故カルシウムがうまく吸収されないかについては、月刊『自然食ニュース』の289号の星猛先生のインタビューが、より正確に詳しく説明してくれています。著者のマーカスさんもハヴァラ女史も、まだこの学説には出会えていないようですが、事実の積み重ねから牛乳は骨粗鬆症の解決策にはならない、むしろトラブルのもとだというところに気がついたのはご立派と言えましょう。


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2009年3月19日 (木)

『もう肉も卵も牛乳もいらない!』を読む(20)

学位と栄養士の資格を取った後も、ハヴァラは栄養学を学び続けた。牛乳を完全食として推奨することに疑いを抱き始めたのは、乳製品や肉類を排除しても十分な栄養を摂ることは至極簡単であることに気づいたときだった。

 彼女は大学の教授たちが強調していた動物性食品について考えを改め始めた。なにしろ植物界には脂質が少なく、ずっと栄養豊かな食品がたくさんあるのだ。

 ハヴァラは徐々にアメリカ式の食事法は根本的に誤っており、たいていの大学の栄養学部は誤謬を永続化していると理解し始めた。しかしハヴァラは他の栄養士らからの大きな抵抗を思い知らされた。

 「何年もの間、同僚の大半はベジタリアンの食事法は危険で風変わりだと考えていました。彼らはベジタリアン食を自ら経験せずに、平気で文句を言っていたのです。私たちが栄養士として受けてきた教育を考えればベジタリアンとコミュニケーションをとるということは、ほとんど外国語を話すようなものでした。

 栄養士はアメリカ人とアメリカ式の食事法に沿った標準を吹き込まれているのだと、私は気づきました。彼らはアメリカの教育システムで学び、そこでは人々は常に肉類を中心とした米国式の食事を摂るものと考えられているのです。

 それは「これが人の食事法であり、人はそれを決して変えはしない。だから違う食べ方をすすめるのは正しいことではない」という考え方です。

 私はかつてヴィーガニズムは非常に極端なベジタリアン式食事法の形だと思っていて、必ずしも真剣に受け止めていませんでした。今ではよく考えられたヴィーガン食はアメリカ人が実践するとどんなものよりも、健康的だと信じています」



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2009年3月18日 (水)

『もう肉も卵も牛乳もいらない!』を読む(19)

 牛乳アレルギーと診断されることは少ないが、実はこれはあらゆる食品アレルギーの中で最も一般的である。牛乳は、アレルギー源になり得るたんぱく質を25種類以上も含んでいる。フランク・A・オスキは、ジョンズホプキンズ医科大学の小児科医だった当時、米国人の子供の約50%は牛乳アレルギーである証拠があるが、その大半はその診断を受けていない、と話している。

 アフリカ系アメリカ人やアジア系アメリカ人の子供は、さらに牛乳アレルギーに対して敏感であるようだ。しかし牛乳に対する信頼はとても厚いので、子供が慢性的にアレルギー反応を起こす一方で、親はその原因が牛乳であることを疑いもしない。

牛乳の評判が高いのは、高いカルシウム含有量のためだ。実際、カルシウムに富む牛乳を善玉、骨粗鬆症を悪玉とするシナリオは定着している。しかし話はそれほど単純ではない。そして牛乳をカルシウム損失の万能薬として持ち上げるのは、おそらく見当違いだ。

 栄養士たちは牛乳こそ最高のカルシウム源であるという乳製品業界のメッセージを繰り返し浴びせかけられている。登録栄養士向けのある広告は「女性患者に牛乳を常飲するようにすすめてください」とうたい、さらに「2000万人の女性が骨粗鬆症を患っていることを考えれば、健康的な食事における牛乳の役割についての意識を高めるのは大切なことです」としている。

 乳製品業界が示唆する通り米国では骨粗鬆症の比率が非常に高い。この国の臀部の骨損傷率は世界最高である。しかし、米国人は世界でも最大級に乳製品を消費する国民でもあるのだ。

 どうにもつじつまが合わないが科学はようやくその理由に気づき始めた。今や高たんぱく質の食事はカルシウム損失を引き起こすことを示唆する証拠が集まり始めている。確かに全乳にはカルシウムが含まれている。

 そしてビタミンDも入っており、これも体内カルシウム吸収を助ける。しかし植物界にどれほど多くの良質なカルシウム源があるかを考えれば、牛乳にこの栄養素を依存する必要はないように思われる。カルシウム源向きの植物には、ケール、マスタード、カブの若葉、ブロッコリー、パクチョイ、キングサリ、ヒヨコマメ、カルシウム添加豆腐、カルシウム強化豆乳、カルシウム強化オレンジジュース、そして糖蜜などがある。

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2009年3月17日 (火)

『もう肉も卵も牛乳もいらない!』を読む(18)

 5000万人以上のアメリカ人、これは6人に1人以上のアメリカ人が、牛乳を飲むことによるこの問題を抱えている。世界的な推計値はさらに高く、人類の3分の2は子供時代を過ぎると牛乳が消化できなくなるとされている。

 こうした症状を持つ人々の多くは、まさか乳製品が原因だとは、つゆ疑っていない。ある人はこう書いている。

 「私は、これまでの人生でずっと悩みのタネだったガス腹、ガス性の差し込み、そして下痢の原因が乳製品かもしれないなどと、まったく知りませんでした。牛乳!牛乳と言えば、「だれにとっても役に立つ」がキャッチフレーズだったのに。牛乳は政府の助成金のおかげで私の高校では235ミリリットルがわずか3セントと、だれにでも買えるようになっていました。実に皮肉なことに、友人はおなかが張るなら牛乳を飲めばいいと、善意のアドバイスをしてくれました。毎日、できるだけ毎食、私は牛乳につぐ牛乳をとっていました」


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2009年3月16日 (月)

『もう肉も卵も牛乳もいらない!』を読む(17)

ハヴァラ女史が乳製品に疑いの目を向け出したのは大学を卒業してからでした。乳製品について調べてみると、さまざまな点で人間の身体のニーズにそぐわないことが分かったのです。

 「牛乳は多くの成人にとって、他の食品に例がないほどの問題を日常的に起こしている。牛乳関連の消化に関する問題は、おおむね乳糖が原因である。乳糖は乳製品のみが含む糖の一種だ。牛乳にも含まれるため、消化吸収するには、身体はラクターゼを必要とする。

 これは乳糖を分解する酵素で、この分解作用によって吸収が可能になる。多くの人々の身体はすでに子供時代に牛乳を適切に吸収するのに十分な量のラクターゼを作らなくなっている。

 こうした人々が牛乳を飲むと、腸の下部でバクテリアが未消化の乳糖を発酵させて、ガスと差し込みをもたらす。この症状は人によって程度の差が激しい。

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2009年3月13日 (金)

『もう肉も卵も牛乳もいらない!』を読む(16)

思い込みが解けだして牛乳批判に

 このような実情は日本でも同様です。むしろアメリカのコピーが日本の栄養学を学ぶ場で実施されていると言えるでしょう。そして今は著者の同志であり、ベジタリアンとヴィーガニズム栄養学の専門家になったハヴァラ女史が、そういう洗脳状態から目覚めて、牛乳に対する批判を強めるようになった経緯を以下の如く紹介しています。

 登録栄養士のハヴァラ女史は、乳製品業界がどれほど巧みに栄養士をターゲットにしているのかを、身をもって知っています。

 彼女は、肉製品業界の主張に対しては、級友の大半に欠けていた猜疑心を持って接していましたが、乳製品の重要性はそっくり鵜呑みにしていたそうです。

 「牛乳の持つイメージ全体にすっかり捕らわれていたのです。卒業したら酪農協会に就職をしたいとさえ思っていました。教授たちも、牛乳が健康的な食品であるという考えを裏付けるばかりでしたから、これこそ理想的な職場だと思っていたのです」
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2009年3月12日 (木)

『もう肉も卵も牛乳もいらない!』を読む(15)

頭から牛乳は良いものとの前提

 まず、アメリカの大学の栄養学講義での牛乳のすすめ方のスタンスの実情が紹介されます。

 「栄養学の学生たちは入学時から強烈な洗礼を浴びる。ある大学の栄養学の標準的な教科書は、はっきり「牛乳は、どんな年代層に対しても、最も栄養のある食品である」とうたっている。また「大半の専門家は牛乳こそ食事の中で最も大切な単一の食べ物であると、意見の一致をみている」ともされている。

 こうした教育を受けていれば、乳製品が他のあらゆる動物性食品同様、いくつかの退行性の疾病に関係しているのに、多くの栄養士がいまだに牛乳を老若男女を問わない必須食品としてすすめているのも不思議はない。

 1980年代、どこの栄養学部でも乳製品が非常に重要と教えていました。教室でもそう聞かされ、学術雑誌の広告もそううたい、教科書さえもが牛乳を飲むのは良いことだと教えていたのです。

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2009年3月11日 (水)

『もう肉も卵も牛乳もいらない!』を読む(14)

著者の思い
 
 この本はアメリカ人・元牧場主、家畜肥育場経営者のエリック・マーカス氏が、その肉食ゆえになった脊髄腫瘍と半身不随で死の寸前まで行ったとき、レイチェル・カーソンの『沈黙の春』を読み、自分の歩んできた道の間違いに気がついて、「食糧供給システムの危険な現状を広く知らしめることを残された人生の究極の目標」と定め、その一環として書き下ろした本です。日本国民必読の書として本誌愛読者の皆様におすすめです。

 原著の題は『VEGAN(純菜食主義者)』で、「この食事の摂り方が私たちの身体的ニーズ、深い思いやり、地球上で生き延びていく力ともっとも調和する生き方である。植物食品中心の食事法への移管は思うよりずっと簡単で、より優しく、健康で、幸福な生き方への扉を開いてくれる」というイントロダクションから始まります。

前2回では、アメリカからの牛の輸入再開要求が突きつけられているという緊急の情勢を踏まえて、先に第5章の狂牛病の章のご紹介からさせていただきました。日本の非効率的ではあるにしても科学的な全頭検査も、「世界の非常識」という横車にぐらついて、はじめは生後20ヶ月まで検査不要で手を打とうとしていたのが、弱腰を見抜かれて生後30ヶ月までは検査不要として輸入再開を今秋には認める方向になったと報道されています。日本では全頭検査にしたために、20ヶ月台での狂牛病が2頭見つかっているにも関わらずです。アメリカからの牛肉はたとえ自由に入ってきても信用できないと言わざるを得ない決着の仕方です。 さて今回は第4章の牛乳批判の章のご紹介です。

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2009年3月10日 (火)

『もう肉も卵も牛乳もいらない!』を読む(13)

余談 キノホルムの話

 この本の紹介とは全く関係がありませんが、BSE、アルツハイマー型脳萎縮で見つかるプリオンを除去するのに、一昔前スモン病の原因といわれたキノホルムという薬が、それなりに効くはずという情報があります。一日200ミリグラム程度を服用していると、まだ初期ならば異常プリオンが除去されていくとのことです。

 薬品ですから当然副作用の心配もありますから別におすすめしているわけではありませんが、プリオンに原因がある病も全く救いがないわけではないということのようです。


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2009年3月 9日 (月)

『もう肉も卵も牛乳もいらない!』を読む(12)

 この奇形プリオンは一種の蛋白質です。沢山のアミノ酸が繋がって小さく折りたたまれているわけですが、この折りたたみに奇形があると、周辺のまともな折られ方をしている蛋白質に形態の影響を及ぼして、まともな折られ方をしている蛋白質がねじれをおこし、同じ奇形になってくるのが異常プリオンの感染で、奇形だと萎縮してくるので脳細胞に隙間ができてスポンジ状になるということです。

 ひどい状態になるには種によって違うのでしょうが、かなりの時間がかかるわけですね。しかし、この蛋白質の折りたたみ方のミスという意味では、脳細胞を全体として縮めてしまうアルツハイマー病も同じ要素があります。今はそんなにいわれていませんが牛の肉を沢山食べるアメリカではアルツハイマーは日本の4倍の発症率です。いずれにしてもそもそも牛を食べなければ、何の危険もないことになります。
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2009年3月 6日 (金)

『もう肉も卵も牛乳もいらない!』を読む(11)

アメリカ牛に早くからプリオンが

 この章で驚かされたのは、アメリカでは毎年数万頭もの牛がほぼ原因不明なまま倒れ、衰弱のあまり再び立ち上がれなくなる牛がいるのだということです。「ダウナー」と呼ばれるそうですが、これはダウンした牛ということでしょう。尻餅ついてダウンしてしまうのは狂牛病の特徴の一つだというのはかなり知られている話ですよね。

 ダウンして死んでしまった牛は当然レンダリング工場送りでミンクの餌にもされるそうで、それを食べたミンクが海綿状脳症となる大流行が過去4回もあったとか。

 それをうけてイギリスでBSEが報告されるほぼ一年前の1985年にウィスコンシン大学のリチャード・マーシュ教授が「これまで見られなかったスクレイピー(羊の海綿状脳症)様の牛の病気が米国に存在している」と警告を発していたということです。

 えっ?アメリカには狂牛病というかプリオンで脳がスポンジ状になる病気はないのだから、日本はそんな心配しないで買えとブッシュ大統領とライス国務長官が小泉首相に圧力をかけている構図は何なの?という思いがいやでもわいてきますね。
 狂牛病のプリオンは食べる食べられるということで「種の壁」なんかあっさり乗り越えるということが恐ろしいですね。 羊から牛へ。牛からヒトへ。牛からミンクへ。実験ではネズミやネコ、サルなんかも簡単に食べてうつり脳がスポンジ状になるそうです。

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2009年3月 5日 (木)

『もう肉も卵も牛乳もいらない!』を読む(10)

脳萎縮箇所に多数のプリオンが

 日本でもごく最近一人の人がヤコブ病でなくなり、イギリスで猖獗をきわめていた時期イギリスに24日間滞在した記録があるのでそこで牛肉を食べて、うつされたのではないかとマスコミで騒がれています。

 しかし、この人は日本でも牛肉をさんざん食べた人でしょうから日本で狂牛病の牛を食べたのかも知れないと何故考えないのでしょうか? えっ?と驚くような安値で食べ放題の焼肉などは、牧場で死んでしまった牛の不正規流通ルートの怪しい肉かも知れません。

 日本に狂牛病はそのころはまだ見つかっていなかったとしても、いなかったとはいえないのです。


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2009年3月 4日 (水)

『もう肉も卵も牛乳もいらない!』を読む(9)

プリオンの発見

 加熱処理の過程で、あらゆるウイルス、バクテリアそして寄生虫などが安全かつ効率よく取り除かれるので、加熱処理を生き延びられるものなどないと何十年もの間、考えられていたのですね。

 プリオンは900度の加熱でない限り死滅しないそうです。今では狂牛病のプリオンが感染した一頭の牛が蛋白質濃縮飼料に加工されると、その餌で潜在的には千頭もの牛が感染させられかねないことがわかっています。

 ウイルスではない病原体が、DNAもRNAもなしに増殖できるわけはないとの先入観が異常蛋白質プリオンの発見を遅らせたのです。狂牛病も感染から発病まで潜伏期間がかなりかかります。仮に牛で2年から5年、人で5年から20年とすると、人間が食べて発症するまではかなりの時間がかかります。

 はじめは人間には感染しないという思いが主流でしたから、イザ、感染して死ぬ人が出だしてからは、放って置いた30年の間の無対策が悔やまれたのです。しかし、後悔先に立たずとはこのことで、イギリスだけでも多めの予想では約一千万人の人が今後約50年かけてヤコブ病で死ぬのではないかといわれています。

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2009年3月 3日 (火)

『もう肉も卵も牛乳もいらない!』を読む(8)

全頭検査は科学的であり必要で有効

 1986年まで全く知られていなかった狂牛病。日本では公式には2005年4月20日現在で19頭見つかりました。全頭検査は非効率的とは思いますが、まさに科学的にすぐれた方法で、現に検査をしなければ見すごしていた狂牛病が次々に見つかり、知見も確実に増え研究もすすむようになってきました。

狂牛病急増の背景

 見つかった背景には少なくともその十倍はいたはずともいわれていますが、イギリスでは十万頭以上もの牛が、この致死的な脳病BSEにやられたといわれています。それは狂牛病をもたらすプリオンの存在がわからなかったので、手の打ちようがなかったといえばそれまでなのですが、脳が牛の狂牛病同様スポンジ状になって狂い死ぬ羊、この病気をスクレイピーといいますが、この死体をレンダリング工場(畜産処理加工場)という、高熱で煮て蛋白質濃縮飼料をつくるところで加工し、それを牛に食べさせているうちに、牛の中に脳がスポンジ状になって狂い死ぬものが出てきた。それもレンダリング工場で肉骨粉にして、牛に食べさせていたところ、つまり共食いですね、草食動物の牛に動物性濃厚蛋白質を食べさせていたら、ネズミ算式に狂牛病が増えたのです。

 そして、その牛を食べた人の中に脳がスポンジ状になるヤコブ病がかなり出てきました。この章を読まれると、この間のイギリスでの事情が詳しくわかります。

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2009年3月 2日 (月)

『もう肉も卵も牛乳もいらない!』を読む(7)

自己責任での選択を

 この瀬戸際のタイミングゆえに、今回から数回で「狂牛病の恐怖」の章の紹介からさせていただきます。

 狂牛病で脳がスカスカになる前に、しっかり学習して牛は食べないと一人一人が自分で決めておかないと危ないからです。

 何事も先送り体質の政府は、何十年先のヤコブ病の増加は、今は手を打つ必要性など感じていないのでしょう。心配は、そこを国民につかれたときに人気が落ちて政権を手放さざるをえなくなることだけなのかも知れません。

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