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2008年11月18日 (火)

安保徹先生の著作に学ぶ (6)

免疫革命・実践編(はじめに)より(1)

編集部 二〇〇三年七月に『免疫革命』を出版して以来、読者の方々からたいへんな反響がありました。この反響は、一年近くが経ったいまも続いていて、ある意味では、『免疫革命』が世間に免疫ブームを巻き起こしたといえるほどの、多大な影響をいろいろな方面に及ぼしました。こうしたことについてまず、少し話していただきたいのですが。

安保 『免疫革命』が出版されるまでは、病気の成り立ち、あるいはガンの成り立ちを考えるとき、遺伝子診断や遺伝子治療などを最先端ととらえるのが当たりまえになっていました。病気の原因については、病気にかかる人の身体の中の遺伝子に異常や調節障害があり、その体の破綻によって病気が起こる、ととらえていたのです。すると、遺伝子の謎がとけるまでは、結局対症療法しかないという選択になり、病気は治せなくても当然、という、そういう流れで医学が進んできたと思うのです。医学の進むべき方向、進もうとしている方向は、それでいいのだ、という考えがありました。

 しかし、『免疫革命』で私が何を言いたかったかというと、私たちの身体というのは、生物としての三十五億年の流れがあって進化してきたものですから、めったなことで調節障害を起こすようなしくみで進化してきたわけではない、ということです。むしろ、なぜ病気になるかというと、私たちが病気になるのは、三十五億年の進化で得た適応力を超えて無理をする、あるいは悩んだりするために、過剰な交感神経緊張状態になって破綻をきたすためなのです。

 また、私たちの身体を観察してみると、筋肉や関節が発達しています。動物としての基本の能力をもっていますが、そういう能力を全然使ってあげないと、その人は活力がなくなったり、筋力がなくなったりして破綻をきたします。逆に、そういう能力を使いすぎても、負担となって、破綻にいたります。つまり、基本的に私たちの身体は健康に生きられるようにできているのですが、それが病気になるのは、身体の能力に応じた適応を超えた生き方をしたり、反対に適応にふさわしくない活力のない生き方をしたりしたから、破綻をきたすためではないか、と私は考えているのです。

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