安保徹先生の著作に学ぶ (10)
安保徹先生講演録 「病気になるメカニズムと治し方」(2)
安保 今から100年ぐらい前の人類はですね、どういうことに苦悩して医学研究が進んでいったかというと、感染症だったと思います。天然痘とかですね、結核とか、破傷風とか、赤痢とか、マラリアとか、いろんな種類の感染症があって、で、なんとかその感染症の発症原因、微生物に辿り着こうってですね、パスツール、あるいはコッホ、北里柴三郎、あと野口英世とか、一生懸命病気の原因を追及していた時代が100年前です。
で、その時代ってのは、だんだんいろんな、特に流行する病気、人類がすごい大多数の患者が死に至るっていうような感染症の謎はですね、原因は、微生物の感染によるものであると。で、その微生物の同定がどんどん解明されて、ワクチンの開発とか、その後50年ぐらい経ってから抗生物質が開発される。
で、そうやって進んでいる間に、いろんな先進国を中心に人類はですね、豊かになって衛生状態も良い、あるいは、いろんな食べ物もひもじい思いをしなくてすむっていうような流れで、感染症はすごく少なくなって、で、ある意味では、命を落とすような感染症はすごく少なくなったわけです。
で、今残った病気っていうのはどんな病気かっていうと、がんだったり、膠原病だったり、あるいは胃潰瘍だったり潰瘍性大腸炎だったり、アレルギー疾患だったらアトピー性皮膚炎とか、気管支喘息とか、あるいは高血圧症とか糖尿病とかですね。感染症みたいに流行するとか、あるいは1回の流行で多数の人が命を落とすっていうような流れの病気ではない病気が残ったわけです。
で、こういう残った病気に対して、今、医学とか医療はどうやって対処してるかっていうと、ほとんどですね、原因不明っていって、原因を追及する流れが成功してないわけです。
ですから例えば高血圧症になっても、糖尿病になっても、たいてい対症療法です。アトピー性皮膚炎でも、気管支喘息でも対症療法をやって、で、その場をしのいでいるわけです。
ですからお医者さんはですね、いつ治るっていうような、そういうことを患者さんにはいえないわけです。患者さんもある意味では、慣れてきてですね、あまり治る希望もないで病院にいってるっていうような流れだと思います。
やっぱり病気っていうのは原因を追及しないとですね、本当に根本的に治すことはできないと思います。
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