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2014年7月25日 (金)

夏こそご用心「冷え」と「低体温」(1)

人類は爬虫類化している!?
──深刻な低体温・冷えの急増──
 人間は恒温かつ温血の動物で、日本人の基礎体温(腋窩測定で)は平均36・5℃前後とされています。
 体温36℃以下の低体温児童は1930年代には男子3・8%、女子4・64%だったのに対し、1991年〜2年の調査では男子10・6%、女子14・1%にも急増。
 この傾向は1970年代後半から顕われ、また1日の体温変動も朝35・5℃、昼37・4℃と大きく、この問題を研究されている日体大の正木健雄名誉教授は、「低体温に体温の大きな変動は人類の爬虫類化、退化の象徴」と警告されています。
 本誌連載中の西原克成先生も、「変温・冷血動物は身体中にバイキンとウイルスを共存させているが、低体温ではそれと同じになってしまい、ルンペン化現象ともいえる。お母さんが低体温だと、赤ちゃんはバイキンだらけのお乳を飲むことになり、母乳からアトピーにもなってしまう」と警鐘を鳴らされています。
 冷えや低体温はそれだけにとどまらず、血流不全や免疫の低下から、あらゆる病気にかかりやすくなります。冷房や冷たい物の摂取、露出した衣服など、夏こそ冷えには気を付けたいものです。

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2014年6月10日 (火)

突然死 (8)

〈ポックリ病の一因は睡眠時無呼吸症候群!?〉
 就寝中に突然苦しそうなうなり声を上げ、数秒以内に死亡する「青壮年急死症候群(ポックリ病)」。特徴的な心電図波形(ST上昇)を示す心臓の病気「ブルガダ症候群」が、睡眠中の突然死の主因といわれています。
 また、昭和大学医学部法医学教室の角田健司助教授は、「以前、ポックリ病からの生還者とみられる例がいくつかあったが、今ではこれらは睡眠時無呼吸症候群と考えられる。ポックリ病もいくつかの病因が混じり合っている可能性があり、睡眠時無呼吸症候群が一因になり得ることは否定できない」と注意を促しています。
 睡眠時無呼吸症候群対策には、 ノーズリフトを使って鼻孔や鼻腔を広げ、 マウスピースやブレストレーナーで下顎の落ち込みを防ぎ、 気道を塞ぐ高い枕の使用はやめる、 日頃から口呼吸を改め、鼻呼吸の習慣をつける——といった工夫が必要です。
〈効果的な爪もみ療法〉
 自律神経のバランスを整えるには、爪もみ療法がおすすめです。通勤時や仕事の合間、テレビを見ながらなど、爪もみを習慣づけるといいでしょう。

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2014年5月28日 (水)

突然死 (7)

直接の引き金になる
交感神経の過剰緊張を予防する
 働き盛りの中高年男性に突然死が多いのは、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を発症しやすい年代である上に、仕事上のストレスや過労が重なるためです。
 過労や睡眠不足、精神的ストレスなどがあると、自律神経の交感神経は緊張状態になり、血圧や心拍数が上昇したり、血流が阻害されて血栓ができやすくなったり、活性酸素が過剰に生成されたりします。
 日常的には、入浴やスポーツ時に突然死がおこりやすいので、細心の注意が必要です。
〈ぬるめの半身浴がポイント〉
 42℃以上の「高温浴」では交感神経が緊張し、血圧や心拍数が急上昇するので、39℃前後のぬるめのお湯に下半身だけつかる「半身浴」が理想的です。
 寒い脱衣所や浴室と熱い湯船との温度差が血圧の急上昇を招くので、あらかじめ脱衣所や浴室を暖めておくことも大事です。
 早朝は交感神経が優位になり、血液の粘度や血圧が高まるので、朝風呂は避けましょう。
 入浴前後には水分をしっかり補給し、飲酒後の入浴は禁物です。
〈スポーツは活性酸素とストレスを生む〉
 東京大学理学部の加藤邦彦先生は、「スポーツは、酸素消費量の増大などに伴って活性酸素の発生を飛躍的に増やし、また、交感神経が緊張状態になり、ストレス反応を人為的に生み出したものにほかならない」と指摘。激しいスポーツは、活性酸素とストレスのダブルパンチで、突然死の危険性が高まります。
 東京大学医学部の川久保清助教授は、動脈硬化をおこしやすい40歳以上の男性は特に突然死リスクが高いので、高コレステロール、高血圧、糖尿病、肥満、喫煙、ストレス——の一つでも当てはまるなら急激な運動はすべきではないと警告。
 川久保教授はまた、運動習慣のない人が急に激しい運動を始めると危険なので、週2回以上、定期的な運動習慣をつけることをアドバイスしています。
 入念な準備体操を行い、微熱や疲れなどを感じたら無理はしないこと、汗をかいて血液が粘りやすくなるので、水分を十分にとることも大事です。
 死亡した人の9割が、一般の健康診断では事前に異常が発見されていないので、機会があれば運動負荷心電図の検査を受けるのが望ましいでしょう。

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2014年5月 8日 (木)

突然死 (6)

“死の四重奏”を防ぎ、血液をサラサラにする
根本的食生活改善
 高脂肪食、白砂糖、アルコール、清涼飲料水、インスタント食品などの多い現代型食生活は、ビタミンやミネラルが欠乏しており、また、“死の四重奏”といわれる高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満などの原因にもなります。
 「麦を混ぜた分搗き米に、納豆、具沢山の味噌汁、魚少々」を基本に総合サプリメントの摂取という根本的食生活改善では、カルシウムとマグネシウムも十分とれ、抗酸化ビタミン・ミネラルや植物性抗酸化成分も豊富で、突然死の予防に役立ちます。
 根本的食生活改善では食物繊維も豊富。麦や海藻類に多い水溶性の食物繊維には、コレステロールやナトリウムを吸着して排泄したり、糖質の消化吸収をゆるやかにする働きがあり、高脂血症や高血圧、糖尿病、肥満の予防・改善に役立ちます。
 突然死の約8割は心筋梗塞や脳卒中などの循環器疾患ですが、欧米型食生活が血液をドロドロにして血栓や動脈硬化をもたらすのに対し、伝統的和食は必須脂肪酸のバランスも良く、虚血性心疾患や脳卒中を防ぎます。
 この他、血液サラサラ食品としては、納豆のナットウキナーゼ、ゴマのセサミン、玉ネギやニンニクのイオウ化合物、黒酢、梅肉エキス、羅漢果液、黒豆の煮汁などが知られており、これらを食生活に上手に取り入れていくことがすすめられます。
 また、赤ミミズに含まれるルンブロキナーゼという酵素にも強力な血栓溶解作用があり、こうした成分を健康食品で補うのも一考です。
 強いストレスにさらされたり、糖尿病をはじめとする生活習慣病などがあると、ビタミンやミネラルは尿中に多量に捨てられてしまうので、微量栄養素が総合的にバランス良く含まれている総合サプリメント(栄養補助食品)の利用はどうしても必要です。

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2014年4月18日 (金)

突然死(5)

食事・栄養療法
突然死は防げる!
——前兆を見逃すな——
 突然死というと、ある日突然何の前触れもなく死んでしまうイメージがありますが、突然死した人の7割には高血圧など何らかの基礎疾患があったことが明らかになっています。
 また、心筋梗塞や脳梗塞の発作には、胸痛や頭痛などの前兆がおこっているケースが多く、突然死は体が発する危険信号を本人が見落としていた可能性が高いと、東邦大学医学部の吉井信夫教授は指摘しています。
 突然死は決して、未然に防げない病気ではありません。食事・栄養療法を中心に、予防策について考えてみましょう。
ストレスが引き金
——突然死につながるビタミン・ミネラル不足——
ストレス→ビタミン・ミネラルの大量消費→活性酸素の暴発→血管を直撃
 突然死、中でも働き盛りの男性を襲う過労死は、慢性的な疲労や心労などのストレスが引き金となります。
 ストレスは体内のビタミンやミネラルを湯水の如く消費し、ビタミン・ミネラルが不足すると、活性酸素の被害をくいとめることができなくなってしまいます。
 悪玉といわれるLDL(低比重リポ蛋白)コレステロールが活性酸素によって酸化されると超悪玉の酸化LDLとなり、血管壁の細胞を酸化してボロボロにし、動脈硬化の元凶となります。ボロボロになった血管に高血圧や血栓などの因子が単一に、あるいは複合的に加わると致死的ダメージがおこり、脳卒中や心筋梗塞などの発作が引き起こされるのです。
 活性酸素による酸化の害を防ぐには、抗酸化ビタミンACE、抗酸化酵素を活性化させる亜鉛、セレン、鉄、銅などのミネラル、フラボノイドやポリフェノールなどの植物性抗酸化成分を十分に確保することが大事です。マグネシウムの不足でも
血管がボロボロ さらに、細胞内外のミネラルバランスが重要です。
 体内のミネラルには、細胞内に多いものと細胞外に多いものがあり、細胞内外のミネラルバランスの調節に重要な役割を果たしているのがマグネシウムです。
 カルシウムに対してマグネシウムのとり方が少ないと、本来は細胞外ミネラルであるカルシウムとナトリウムが細胞内に大量に入り込み、代わりに細胞内ミネラルのマグネシウムとカリウムは追い出されてしまいます。その結果、細胞は膨張し、ちょっとした刺激に対しても収縮しやすくなります。
 これが血管壁の細胞でおこると、血管が肥厚したり攣縮(けいれん)したりして血流が妨げられ、高血圧や虚血性心疾患、脳卒中などをおこしやすくなります。
 マグネシウム不足だけでなくカルシウムの不足も、骨からカルシウムが溶け出して(脱灰)、細胞内にとりこまれる一因となります(カルシウムパラドックス)。カルシウムとマグネシウムはどちらも過不足なく、バランス良く摂取することが大事です。

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2014年4月10日 (木)

突然死 (4)

突然死は、こんな状況で
おこりやすい 突然死が最も多いのは就寝中ですが、単位時間当たりの危険率をみると、入浴や排便、スポーツ時の方が危険率が高くなります。
 入浴中の突然死は冬に集中しており、寒い脱衣所や浴室と熱い湯船との温度差が血圧の急上昇を招きます。特に、42℃以上の「高温浴」では、自律神経の交感神経が緊張し、血圧・心拍数共に上昇します。
 また、「全身浴」は、水圧によって末梢の血液が心臓に集まり、こうした心臓や血管への負担が突然死の引き金になるので、みぞ落ちから下だけつかる「半身浴」を心がけます。
 さらに、汗をかくと血液が濃縮されて粘りやすくなる上、高温浴では血液を固める血小板の働きが活性化され、血栓を溶かす線溶能の働きが弱くなります。こうしてできた血栓がもとで、翌朝、脳梗塞や心筋梗塞の発作をおこす恐れもあります。
 スポーツ中の突然死は年間130件ほど発生しており、急性心筋梗塞や狭心症、心室細動など、心臓疾患が原因の8割を占めます。
 体を動かすと心臓が必要とする酸素の量が増えるため、冠動脈が動脈硬化で狭まっていると血液の供給が追いつかなくなります。さらに、激しい運動で大量に汗をかくと、血液の粘度が高まって血栓ができやすくなります。
 年代別では、スポーツをする機会の多い10代が22%と最多ですが、次いで50代が16%、40代が13%を占めます。
 競技別では、実数ではランニングが多いのですが、40〜59歳では剣道やスキー、60歳以上ではゴルフや登山の率が高まります。
 車の運転中の突然死も意外に多く、居眠り運転や脇見運転として扱われた中にも、突然死によるものが相当数含まれているとみられます。
 運転中は精神的緊張が高まって交感神経が刺激され、一時的に血圧や心拍数が上がりやすくなります。死亡者の6割は、高血圧や糖尿病、虚血性心疾患、脳血管疾患などの病歴をもっていたことが明らかになっており、危険因子のある人は要注意です。
 突然死を防ぐには、日常生活の中でこうした危険な場面に細心の注意を払うと共に、“死の四重奏”といわれる危険因子を改善し、動脈硬化や血栓を防ぐ食生活を心がけ、交感神経の緊張を和らげて自律神経のバランスを整えることが大事です。

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2014年4月 1日 (火)

突然死 (3)

“死の四重奏”に、
ストレス過多
〈基礎疾患〉
 京都大学病院第三内科の野原隆司医長は、「突然死は、基礎疾患があるところに引き金がひかれて起きる」と説明しています。
 基礎疾患としては、 高血圧、 高脂血症、 糖尿病、 肥満があげられます。これらは動脈硬化や血栓などの原因になり、それぞれは軽度であっても、2つ、3つと重なると、心筋梗塞や脳卒中をおこす危険が高まることから、“死の四重奏”と呼ばれています。
〈直接の引き金は交感神経の緊張〉
 直接の引き金となるのは、自律神経の交感神経の緊張です。交感神経は、血圧や心拍数を上げて体の活動力を高める神経で、緊張状態が続くと、血流を阻害して血栓の形成を促したり、活性酸素を過剰に作り出して血管壁を障害したりします。
 睡眠時は自律神経の副交感神経が優位になるので血圧は下がっていますが、起床後は日中の活動に備えて交感神経が活発に働き、血圧が上昇します。それに伴って、早朝には心臓突然死や脳卒中がおこりやすくなります。
 交感神経は、過労や睡眠不足、精神的ストレス、急激な温度差、過度の興奮などでも緊張状態になり、高血圧や高脂血症、糖尿病、肥満などの基礎疾患を抱えている上に、過労やストレスの多い中高年男性は突然死予備軍といえます。
〈精神的ストレス〉
 「過労死110番」に寄せられる相談でも、くも膜下出血や心筋梗塞など、働き盛りの突然死に関する事例が6割に達するといわれ、ストレスやプレッシャーのかかる管理職世代は要注意です。
 特に、真面目で几帳面、負けず嫌い、猛烈に働くといった「A型性格」の人は、自律神経の交感神経系の支配が強く、温和でマイペースな「B型性格」の人に比べて突然死しやすいと指摘されています(血液型とは関係ありません)。

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2014年3月31日 (月)

突然死 (2)

突然死をもたらす要因
〈心臓病〉
 心臓が原因の突然死の中では急性心筋梗塞が最も多く、この他、狭心症や不整脈、心筋症などがあげられます。
 心臓が停止する直接の原因は、心室細動という不整脈が大部分です。
 心臓に酸素や栄養を送る冠動脈が、動脈硬化や血栓によって血流が妨げられると、心臓の筋肉が酸素不足になり、息苦しさや胸の痛みなどがおこります。これが、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患です。
 血流が途絶えて心筋の一部が働かなくなると、心臓を拍動させるための電気信号がうまく伝わらなくなり、致死的な不整脈である心室細動に陥ります。
 心室細動では、血液を全身に送り出す心室が不規則に細かく震え、心臓は一瞬にしてポンプ機能を失ってしまいます。心臓停止から数分以内に除細動(心臓に電気ショックを与えて不整脈を正常に戻す)を行わないと死に至ります。
〈脳卒中〉
 脳卒中には、 脳の細い血管が破れて出血する脳出血、 脳を包む軟膜とくも膜の間で脳動脈瘤が破裂するくも膜下出血、 脳の血管に血栓がつまり、血流が途絶えて脳細胞が壊死する脳梗塞——の3つがあります。
 働き盛りの世代の突然死につながりやすいのがくも膜下出血で、くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤は30〜40代にかけてあらわれ、50代以降に発作をおこす危険が高くなります。
 脳出血やくも膜下出血の発作が命にかかわることが多いのに対し、脳梗塞ではすぐに命を落とすことは少ないとされています。しかし、一命をとりとめても後遺症や痴呆症を引き起こすなど、QOL(生命・生活の質)を著しく低下させる恐れがあります。
〈肺塞栓症〉
 足の静脈などにできた血栓が肺の血管に詰まる肺塞栓症も突然死の一因になります。
 長時間足を動かさないでいると血流が悪くなって血栓ができやすく、飛行機での長旅が原因のロングフライト症候群(エコノミークラス症候群)や、手術後、長期間寝たきりでいることなどが引き金となります。術後の合併症としておこる肺塞栓症は、発症すると約10%が1時間以内に突然死するといわれています。
 肺塞栓症による死亡者は年々増加傾向にあり、背景には、食生活の欧米化などで血栓リスクの高い人が増えていることが指摘されています。

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2014年3月26日 (水)

突然死 (1)

働き盛りの8人に1人が突然死
 昨年11月、高円宮さまが47歳の若さでスカッシュの練習中に急逝したのに続き、その2日後には二つのマラソン大会で50代の3人が死亡、今年1月には44歳の雑誌編集長が記者会見中にくも膜下出血で死亡するなど、働き盛りを襲う突然死が改めてクローズアップされています。
 突然死とは、「発症から24時間以内の内因性の死」のことで、30〜60代の壮年期死亡の約8人に1人が該当するといわれます。
 死因は、心筋梗塞などの心血管疾患が約6割、くも膜下出血や脳出血などの脳血管疾患が約2割を占め、循環器疾患だけで8割近くにも達することが、東京都監察医務院の調査で明らかになっています。

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2014年3月 3日 (月)

やはり怖い脂肪肝(6)

〈NASH対策〉 非アルコール性脂肪肝から肝炎・肝硬変へと進行する「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」は、ここ数年でにわかに注目されていますが、まだ治療法は確立されていません。
 現在、医療機関では、 食事療法と運動療法による減量、 肝臓にたまった鉄を減らす瀉血療法、 抗酸化ビタミンのC・Eの併用投与、 高脂血症治療薬や肝庇護薬、血糖降下剤の投与など——が行われています。
肝臓を強化する
微量栄養素・食物成分 脂肪肝を防ぎ、肝臓の健康を守るには次のような微量栄養素・食物成分が役立ちます。
●ビタミン・ミネラル
 肝臓では、栄養分をエネルギーに変えたり、アルコールや薬物を分解するために大量の酸素を使い、そのときに生じる活性酸素によって細胞が傷害されます。活性酸素から肝臓を守るには、抗酸化ビタミンACEやコエンザイムQ10、ポリフェノールやフラボノイドなどの植物性生理活性物質が役立ちます。
 アルコールや脂質・糖質の代謝にはビタミンB群が必須です。
 また、肝臓の酵素の多くは亜鉛などを必要とする金属酵素で、亜鉛が不足すると酵素の働きが鈍って肝機能に支障がおこります。亜鉛を不足させないことが大事です。
 ただし、鉄の過剰は肝臓内で活性酸素の過剰障害をもたらすので、とり過ぎには要注意です。
●ゴマのセサミン
 ゴマに含まれる抗酸化成分セサミンには、肝臓で発生する活性酸素や過酸化脂質を抑制したり、アルコールから脂肪肝の発生を防ぐなどの効果が報告されています。
●ウコンのクルクミン
 ウコンには、アルコールの代謝を促して肝障害を防ぐ効果が報告されています。有効成分の一つであるクルクミンが脂肪肝に効果があると考えられています。
●マリアアザミのシリマリン
 有効成分のシリマリンには、ダメージを受けた肝細胞を修復し、肝臓で活性酸素や過酸化脂質を減らす作用があります。
 東京の市ヶ谷柳沢クリニックの柳沢秀敏院長は、「アルコールの代謝で肝臓が忙しくなると、その他の代謝に使えるパワーがなくなってくるが、マリアアザミはそれを助けてくれる」として、特にアルコールを多く飲む人にすすめています。
日常生活での脂肪肝対策 重要なストレス対策
 新潟大学医学部の安保徹教授は、脂肪肝の根本的な原因はストレスによる自律神経の乱れにあると指摘しています。マウスを金網にはさむと脂肪肝になることからも、ストレスと脂肪肝が密接に関わっていることは明らかです。
 ストレスによる自律神経の交感神経の緊張状態をほぐす方法として、安保教授は爪もみ療法をすすめています。
 爪もみの他にも、趣味や入浴、音楽、アロマテラピーなど、自分なりのリラックス法をみつけて、ストレスを上手に解消していくことが大切です。
●脂肪燃焼に欠かせない運動
 食事から取り入れた脂肪や糖質をエネルギーとして燃焼させるには、運動療法が役立ちます。中性脂肪が肝臓にたまるのを防ぎ、肝臓に蓄積した脂肪の燃焼も促します。また、基礎代謝量が上がり、太りにくい体質になります。
 ウォーキングやサイクリング、ラジオ体操、水泳などの有酸素運動を1日1時間(1回10分程度を1日5〜6回でも可)行いましょう。ダンベル体操やチューブ体操などの筋肉を鍛える運動も、体脂肪を燃焼しやすい体づくりに役立ちます。
●睡眠時無呼吸症候群対策
 睡眠時無呼吸症候群は、NASHの発症を促進する可能性が指摘されています。食事・運動療法で肥満を解消すると共に、睡眠時には、 ノーズリフトを使って鼻孔や鼻腔を広げ、 マウスピースやブレストレーナーで下顎の落ち込みを防ぎ、 気道を塞ぐ高い枕の使用はやめる——といった対策に取り組みましょう。

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