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2013年5月20日 (月)

乾燥症候群(9)

洗 浄
〈洗い方〉
 皮膚の健全な生理機能を保つには肌を清潔に保つことが大事ですが、皮脂膜を除去するお湯や、ゴシゴシと強く肌をこすったり、アカ擦りなどは厳禁です。
〈洗浄剤〉
 皮膚のバリアとなる角質を破壊する合成界面活性剤入りのシャンプーやボディーソープの使用は避け、香料や添加物を一切使用していない無添加の石鹸が一番です。肌を濡らしてから、十分に泡立てて洗います。
 食器洗いも合成界面活性剤入りの洗剤は避け、洗剤不要のスポンジや、弱酸性の台所洗剤を。ゴム手袋はムレて角質にダメージを与えるので、使用する場合は薄い木綿の手袋の上に使用します。
〈入浴〉
 半身浴や蒸気浴(ミストサウナ)は血行を良くしたり、リラックス効果があるだけでなく、汗をかいて皮膚の角質層に水分を行き渡らせるのにも効果的です。
 シャワーしか浴びない人は汗をかきにくく、皮膚が乾燥しやすくなります。
〈洗った後のケア〉
 洗い落とされた皮脂膜は自然に回復してきますが、この力が弱まっている人は、尿素入り軟膏や、美肌水(イラスト)、酸化しにくいホホバ油などを適量ぬるといいでしょう。尿素には空気中や体の中から送られてくる水分を角質層で取り込む保湿作用があります。ただし、空気中のダニのカスなどが皮膚に入り込むのを促進する可能性もあるので、アトピーの人は慎重に使用すべきです。皮膚の薄い乳児や高齢者は、尿素の濃度があまり高くないものを選びましょう。
うがいの励行
 起床、外出後、寝る前、薄い塩水で目・鼻・喉のうがいを励行するのも大事です。

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2013年4月25日 (木)

乾燥症候群(8)

ストレス→自律神経の失調→交感神経の亢進→乾燥を促進
 ストレスがかかると自律神経の交感神経が緊張状態になり、副交感神経が司っている涙や唾液の分泌が抑えられ、血流も阻害され、乾燥を促進します。
 自律神経のバランスを整え、交感神経の緊張を鎮めて副交感神経を優位にするには、趣味やスポーツなどで自分なりの上手なストレス解消法をみつけ、よく笑うことを心がけましょう。そして、何事もプラス思考で考え、ゆったりとした気持ちをもつことが肝心です。
 新潟大学の安保徹先生と福田医院の福田稔先生による「福田—安保理論」による自律神経免疫療法をもとに編み出された「爪もみ療法」も自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。
 室内の乾燥を防ぐ 暖房・冷房共に乾燥の原因になります。特に冬場はエアコン、電気ごたつ、ホットカーペットなど、特に電気による暖房器具の使いすぎには注意しましょう。室温は19〜20度、夜は約17度、湿度は50〜55%が理想的です。
 電気毛布は体の水分を奪うので、寝具を十分に温めたあとはスイッチは切るか、湯たんぽをすすめます。特に老人の方は湯たんぽ(面倒なら電気アンカを弱に)など足先の暖房がすすめられます。
 部屋の湿度を保つには、加湿器を利用する場合は、室温に合わせてウイルスの繁殖を抑えるのに最適な湿度を選べるタイプや、肌の水分吸収を2倍以上に高めるタイプ、湿ったフィルターにかびが生えるのを防ぐため、抗菌加工を施したタイプも開発されています。また、室内に濡れタオルを干すのも役立ちます。ただし、雑菌が繁殖しやすくなるので、換気が大切です。

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2013年4月19日 (金)

乾燥症候群(7)

乾燥を防ぐ生活環境
口呼吸を防ぎ、
よく噛んで唾液の分泌を促す
 口呼吸は鼻や咽喉、口腔の粘膜を乾燥させ、ドライマウスをはじめ、風邪、喘息、アトピー性皮膚炎、シェーグレン症候群など、多くのドライシンドロームの引き金になります。
 睡眠時は特に口唇の筋肉がゆるんで口呼吸になりやすいので、紙絆創膏(サージカルテープ)などで開口を防ぎ、鼻呼吸しやすいよう鼻孔や鼻腔を広げるノーズリフトの使用をおすすめします(写真・イラスト)。
 東京予防歯科研究会ではドライマウス対策として、よく噛んで食事する、定期的にガムを噛む、水分を頻繁にとる——などをアドバイスしています。ぬれマスクも有効です。
 噛むと唾液の分泌が促され、口腔の乾燥が予防されます。左右の奥歯を均等に使って1口最低30回は噛む習慣をつけましょう。
 なお、顎を動かすと目のまわりの神経に刺激が伝わるため、まばたきの不足でおこるドライアイの改善にも効果があります。

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2013年4月12日 (金)

乾燥症候群(6)

〈伝統的な和食のすすめ〉
 肉・卵・牛乳・油・白砂糖などに代表される欧米型の高脂肪・高蛋白食は、血液をドロドロにして血流を悪くします。その結果、各細胞に十分な水分や栄養が行き届かず、皮膚や粘膜の乾燥を促進します。乾燥対策にも野菜中心に魚少々といった伝統的な和食が一番なのです。
 和食は必須脂肪酸のリノール酸系(n—6系)/αリノレン酸系(n—3系)比のバランスも良く、血流を良くすると共に、アトピー性皮膚炎や喘息などの炎症を鎮めるのにも役立ちます。
 なお、血流を促す食品としては、野菜など植物性食品全般の中でも特に、納豆、ニンニク、玉ネギ、梅肉エキスが血流促進効果が強いことで知られています。
 皮膚や粘膜を保護するビタミン・ミネラルビタミンAは目のビタミンとも呼ばれ、目の粘膜をはじめ、全身の粘膜や皮膚を保護する働きがあります。
 ビタミンCは細胞の結合組織であるコラーゲンの合成に働き、皮膚や粘膜を強くします。
 ビタミンEは血流を良くします。
 ビオチン(ビタミンH)は“皮膚のビタミン”といわれ、ビオチンが不足するとアトピーのひっかいた傷が治りにくくなります。ビオチンは体内で腸内細菌によって合成されますが、卵の白身に含まれるアンビジンという蛋白質にはビオチンの働きを阻害する作用があるので要注意です。
 亜鉛には細胞の新生を促す作用があり、新陳代謝の活発な皮膚や粘膜の健康に役立ちます。亜鉛は、植物性食品では白米、大豆、納豆、ひじきやワカメなどに多く含まれています。
 疲れ目の大半はドライアイが原因といわれますが、目の疲れに優れた効果を発揮するのが、ブルーベリーやその野生種のビルベリーに豊富な青色色素のアントシアニン。マリーゴールドやケールなどに多いルテインも効果的です。
 この他、視神経の機能を高めるビタミンB群や、網膜に多い亜鉛、網膜の神経細胞に多いアミノ酸のタウリンなども疲れ目の解消に役立ちます。
 これらのビタミン・ミネラルを総合的にバランスよく補うには、“総合サプリメント(栄養補助食品)”の利用がすすめられます。

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2013年4月10日 (水)

乾燥症候群(5)

乾燥から身を守る
 ドライシンドロームは体の各部位に不快な乾燥症状をもたらすだけでなく、バリア(防御)機構を備えている皮膚や口腔や咽喉の粘膜が乾燥すると、風邪はもとよりアトピー性皮膚炎や、さまざまな免疫疾患にもかかりやすくなります。
 乾燥から身を守り、潤いを保つには、食事・栄養をはじめ、さまざまな生活環境を整えることが大事です。
健康な皮膚と粘膜をつくる食事・栄養療法水分の補給と血液サラサラ食
——血液ドロドロの欧米型食生活は乾燥を招く——
〈水分を切らさない〉
 みずみずしい健康的な皮膚や粘膜を保つには、何といっても、水分を絶やさないことが一番です。
 水分は常時チビチビと切らさずに摂取しましょう。脱水症状を起こしやすい夜間や入浴時の対策は、寝る前と朝の起床時、入浴前後は必ずコップ1杯のぬるま湯を心がけます。
 アルコールやカフェイン飲料は利尿作用があるので、とりすぎは乾燥の元です。
 逆に果物は肌をみずみずしく若々しくしてくれます。糖分過剰にならないように適量摂取、特に朝はとると良いでしょう。

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2013年4月 5日 (金)

乾燥症候群(4)

ドライマウス
 老化に伴う唾液腺の萎縮や、降圧剤や鎮痛剤などの薬の副作用、ファストフードなどよく噛まない食生活、口呼吸の習慣、精神的ストレス、糖尿病——等の原因で唾液の分泌が減ると、 口や喉のひどい乾き、 ビスケットなど水気の少ない食物が飲み込みにくい、 舌がひび割れる、 口の中が粘るなどの不快な症状があらわれます。これが「ドライマウス」です。
 唾液は、口の中の食べかすなどを洗い流したり、含まれているリゾチームやラクトフェリンなどの抗菌物質の働きで、虫歯や歯周病から守ってくれます。ドライマウスを放置すると虫歯や歯周病にもなりやすくなるだけでなく、症状が悪化すると、咽頭炎や食道炎、萎縮性胃炎などの全身的な病気を招くこともあります。
ドライアイ
 疲れ目(眼精疲労)の6割は「ドライアイ」が原因といわれ、昔から知られている症状です。近年、テレビやコンピュータ画面の見過ぎ(VDT〔ビジュアルディスプレイ端末〕障害)、エアコンによる空気乾燥、大気汚染物質——などで急増が目立っています。
 ドライアイでは疲れ目、痛み、ゴロゴロとした異物感などの症状が出ますが、それは a基礎分泌の涙の減少(刺激による涙は出やすくなる)、 b成分異常(目玉を濡れやすくする成分や油分の減少)、 涙の流量が少ない——などによります。
 急増の大きな原因であるVDT作業では、通常1分間約20回のまばたきが2〜3回程度に落ち、目が乾いて傷みやすくなります。
シェーグレン症候群
 唾液腺や涙腺など、全身の外分泌腺がおかされる自己免疫疾患です。重度のドライアイやドライマウス、関節痛などを伴います。
 潜在患者は約20万人はいるといわれ、中高年女性に多く発症します。

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2013年3月27日 (水)

乾燥症候群(3)

ドライシンドロームの代表的な症状
ドライスキン(乾燥肌)
 空気の乾燥、水仕事や洗剤(特に合成洗剤)の使いすぎ、洗いすぎ、老化——など、さまざまな原因で表皮の角質層の水分が失われると、肌荒れやカサカサ、かゆみなどの症状がおこります。これが「アトピー皮膚」ともよばれる「ドライスキン」です。
 健康な角質層は10〜30%の水分を含んでいるといわれます。この水分は、皮脂腺から分泌される皮脂と汗が混じりあってできる皮脂膜によって蒸発が防がれ、さらに角質層にある天然保湿因子(NMF)によって保持されています。
 角質層の水分が10%を割ると皮膚はカサカサしたドライスキンになります。ドライスキンになると、皮脂膜や細胞間脂質(セラミド)が少なくなり、角質層はスカスカになって、はがれやすくなり、かゆみや湿疹などもおきてきます。掻き崩すことでさらに角質層はダメージを受け、皮膚本来のバリア機能は大幅に低下し、容易にダニやホコリ、細菌などの異物の侵入を許してしまいます。
〈主婦湿疹〉
 典型的なドライスキンの症状です。炊事、洗濯、掃除などで手を荒らすことでおきやすくなります。
〈皮脂欠乏症・老人性皮膚掻痒症〉
 老化によるドライスキンは、男性では50〜60歳、女性では40〜50歳代になると、ホルモン分泌の影響で皮脂の分泌が減り、皮膚が乾燥しやすくなります。こうした症状は「皮脂欠乏症」ともよばれています。
 さらに、高齢になると水分を保持する役目をする筋肉の衰えなども加わって水分保持力が全身的に低下し、65歳以上の8〜9割が、皮膚が粉をふいてひび割れたような状態になる「老人性乾皮症」に悩まされてきます。
 こうした症状が悪化すると、眠れないほどのひどいかゆみを訴える「老人性皮膚掻痒症」、掻き崩した皮膚に刺激物が吸収されて湿疹ができると「皮脂欠乏性湿疹」となります。

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2013年3月22日 (金)

乾燥症候群(2)

現代人は乾いている!
急増するドライシンドローム
乾燥を促す現代の環境
 「ドライシンドローム」という言葉も生まれるほど最近、ドライスキン(乾燥肌)、ドライアイ(乾性角膜炎・結膜炎)、ドライマウス(口腔乾燥症)など、身体各部のさまざまな乾燥症に悩まされる人が増えています。
 かつてはみずみずしい肌を誇った日本人も今では3分の1がドライスキンといわれ、予備軍含めてアトピー性皮膚炎は1千万人、ドライアイは800万人以上と推定されています。
 こうした乾燥トラブルが増えている背景には、 a気密性の高い住環境、 bエアコンによる冷暖房、 c大気汚染、 dコンピュータ社会、 e高度ストレス社会、 f行きすぎた清潔志向、 gよく噛まない食習慣、 口呼吸、 精神的ストレス——等々、現代社会ならではの弊害が指摘されています。
乾燥は免疫力を落とす
 皮膚や粘膜の本来の働きは、体の外から有害なものの侵入を防ぐバリア機構にあります。
 乾燥によって、皮膚や、口腔や咽喉の粘膜バリアが低下すると、さまざまな免疫疾患も招きやすくなります。
〈皮膚のバリア〉
 体の表面をおおっている皮膚は、内部の潤いを保持するのと同時に、病原菌や紫外線、化学物質など、外部のさまざまな刺激から体を守る役目(バリア)をしています。皮膚が乾燥すると、このバリア機能が衰えて、弱い刺激でも湿疹や炎症をおこしやすくなり、細菌やアレルゲンも侵入しやすくなります。
〈口腔や咽喉の粘膜バリア〉
 口呼吸などで口腔や咽喉の粘膜が乾燥すると、免疫の最前線基地である鼻とのどの奥(鼻咽腔)をとりまく扁桃リンパ輪(図1)が乾燥して、細菌やウイルスがはびこりやすくなります。そうすると、扁桃リンパ輪でつくられる白血球が細菌やウイルスをとり込んで全身の白血球造血巣に運び、さまざまな病気を引き起こします。

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2013年3月18日 (月)

乾燥症候群(1)

乾燥は万病の元
ひからびゆく現代人
 いよいよ冬本番。空気が乾燥して身体からは潤いがなくなってきます。
 体が乾燥するといろいろな乾燥症が起きてきますが、中でもバリア(防御)機構を備えている皮膚や口腔や咽喉の粘膜が乾燥すると、アトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギー疾患、風邪などの感染症をはじめ、さまざまな免疫疾患にかかりやすくなります。
 現代は季節を問わず、体が乾燥する要因にあふれています。乾燥から体を守ることは病気の予防、QOL(生活の質)の向上に欠かせません。

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2013年3月12日 (火)

風邪は万病の元(7)

症状は自然治癒力の現れ。
安易な薬の使用は禁物
 リンパ球が抗体をつくってウイルスの増殖を食い止めるまで通常7〜10日かかります。
 この間、鼻水・咳・発熱などの症状があらわれますが、これらは免疫機能が正常に働いている証拠です。発熱は、熱に弱いウイルスの繁殖を抑え、免疫系を活性化させるためです。鼻水や咳・痰は、ウイルスと闘った白血球の死骸やウイルスそのものを体外に出そうとする反応です。
 一般の風邪薬はウイルスを殺す薬ではなく、風邪の諸症状を緩和する対症療法にすぎません。むやみに薬を飲んで症状を抑えるのは、人間の体に備わっている自然治癒力を妨げることになります。
 そればかりか、安易な薬の使用は危険な副作用を招く恐れもあります。非ステロイド系抗炎症剤のメフェナム酸(商品名ポンタールなど)とジクロフェナクナトリウム(商品名ボルタレンなど)といった解熱剤を使った子供は、小児インフルエンザ脳症の死亡率がそれぞれ4・6倍、3・1倍高いことが、厚労省の調査で明らかになっています。
 また、風邪の大半はウイルスですから、細菌を殺す抗生物質は効きません。風邪に対して抗生物質を出す医者は要注意どころか失格です。
 ただし、インフルエンザウイルスに対しては、特にハイリスク群ではワクチンによる予防がすすめられます。

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