2012年5月24日 (木)

自律神経失調症 ——対策編——(3)

●抗酸化物質 ストレスで交感神経が緊張すると、それと連動して白血球の顆粒球が増加し、活性酸素が過剰に産生されます(図)。
 活性酸素の被害を食い止めるために、ビタミンACE、抗酸化酵素を活性化させる亜鉛、銅、マンガン、セレン、鉄などのミネラル、フラボノイド、ポリフェノールなどの植物性生理活性物質をしっかり確保しておきましょう。
 自然に即した食生活を これらの栄養素は、ファストフードやコンビニ食、インスタント食品などに偏った現代型の食生活では欠乏しがちな上、何かとストレスの多い複雑な現代社会では、普通の食事をしていても、とても十分にはとることができません。
 そこで、ビタミン・ミネラル・生理活性物質が総合的にバランスよく含まれたサプリメント(栄養補助食品)を利用して、三度の食事の度に栄養素を100点満点にすることが望まれます。
 この他、ヒト本来の食性からかけ離れた食生活は、体がそれに対応しきれず、自律神経のバランスを崩す元になるので要注意です。
●白砂糖のとり過ぎは危険
 ストレスを感じた時、それをケーキや菓子類など、甘いものの“気晴らし食い”で解消しようとする人が目立ちます。
 しかし、白砂糖のとり過ぎで血糖値が急上昇すると、膵臓からインスリンが大量に分泌される反動で低血糖症に陥り、かえって体がだるくなったりイライラがつのります。さらに、低血糖状態から抜け出そうとして副腎からアドレナリンが大量に分泌されるため、自律神経のアンバランスに拍車をかけてしまいます。
 白砂糖のとり過ぎはまた、神経系に重要なビタミンB群やカルシウムを大量に消耗してしまいます。
●卵・牛乳・肉・植物油を避ける
 交感神経の緊張は血流障害を引き起こしますが(図)、肉・卵・牛乳などの動物性食品や、紅花油などのリノール酸系植物油のとり過ぎも、血液を粘らせて血流障害を促進します。
 血流を回復して自律神経のバランスを整えるには、こうした食品を避けると共に、納豆、玉ネギ・ニンニク、脂肪酸ではシソ油や亜麻仁油に多いα—リノレン酸、青魚のDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などを積極的に取り入れていくと良いでしょう。
●ゆっくりと食事を楽しむ
 自律神経を正常に機能させるためには、食事は毎日決まった時間にとるなど、生活にリズムをつけることが大切です。寝る直前に食べると、睡眠・休息をつかさどる副交感神経が食物の消化・吸収に労力を割かれ、自律神経のバランスを崩しやすくなります。
 また、家族や友達と楽しくリラックスして食事をしている時は、副交感神経が優位になって食物の消化・吸収が促進されます。反対に、時間に追われて慌ただしく食事を済ませたりしていると、交感神経が優位になって胃腸の活動は抑えられてしまいます。世界的にも今、合理化を追求した“ファストフード”から、ゆっくりと食事を楽しむ“スローフード”を目指す動きが広がっています。

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2012年5月16日 (水)

自律神経失調症 ——対策編——(2)

●蛋白質 ストレスに対抗するためのエネルギー源として、胸腺やリンパ腺の蛋白質が引き出され、分解が促進されます。胸腺やリンパ腺が萎縮すると、免疫力・抵抗力は著しく低下してしまいます。
 良質のアミノ酸は、穀類と豆類の植物性蛋白質の組み合わせで確保するのが望ましく、本誌では消化吸収の面から、「麦ご飯+納豆・味噌汁」を基本とした食事をすすめています。
●パントテン酸、ビタミンC 共に“抗ストレスビタミン”として知られ、ストレスで激しく消耗されるビタミンです。
 ストレスを受けると副腎から副腎皮質ホルモンやアドレナリンが分泌されてストレスに対する抵抗力を強めますが、パントテン酸やビタミンCには副腎の機能を高め、ホルモンの合成を促す働きがあります。
●ビタミンB群 パントテン酸以外のビタミンB群も自律神経の働きを正常に保つのに不可欠です。Bは神経細胞のエネルギー源となるブドウ糖を代謝し、Bは神経伝達物質の合成にかかわり、B12は自律神経の修復を助けます。
●ビタミンA 自律神経失調症をはじめ、胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群など、ストレス性の病気の患者は血液中のビタミンAが健康な人に比べて20〜30%少なく、ビタミンAの投与で7割に何らかの症状の改善が認められたことが、霞ヶ関ビル岩井診療所の野村喜重郎先生の研究で明らかになっています。
●カルシウム、マグネシウム ストレスによって腎臓の働きが低下すると、尿中にカルシウムやマグネシウムが排泄されやすくなります。カルシウム・マグネシウムには神経細胞の興奮を鎮める作用があり、不足するとストレスへの耐性が低下します。

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2012年5月15日 (火)

自律神経失調症 ——対策編——(1)

 自律神経のアンバランスは、頭痛やめまい、微熱といった単なる自律神経失調症をもたらすだけでなく、がんや動脈硬化、自己免疫疾患など、万病の元にもなります。/Users/shizenshoku/internet/仙石家.txt
 食事・栄養療法を中心に、日常生活全般から自律神経のバランスを図る方法について考えてみましょう。

自律神経の健康を保つ
食事・栄養療法ストレスで消耗される栄養素を

しっかり確保 前回お話ししたように、自律神経の交感神経と副交感神経のバランスを崩し、自律神経失調症の引き金となるのがストレスです。
 ストレスを受けると体の中ではさまざまな栄養素が消耗されますが、ストレスの多い人ほど、食欲がなかったり、忙しくて食事時間がとれない等の理由で食生活がおろそかになりがちです。いざストレスがかかったときに素早くそれに対処できるよう、日頃から抗ストレスに働く栄養素を十分に確保しておくことが大事です。

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2012年5月14日 (月)

自律神経失調症——病気のおこる仕組み——(5)

 さらに、交感神経の緊張で白血球の顆粒球が増え、それによって顆粒球が放出する活性酸素も過剰に生成されます。過剰な活性酸素は組織破壊を引き起こし、これによってもがんや動脈硬化など多くの病気が引き起こされます。
 このように、ストレスがもたらす自律神経のアンバランスは、単なる自律神経失調症をもたらすだけではなく、万病の元にもなるのです。
 次回は、食事・栄養療法を中心に自律神経の調整に有効な生活習慣の改善、有効な手当法などをご紹介します。
—・—・—・—・—・—・—・—・—・—
◎参考文献
・『よくわかる自律神経失調症の治し方』
筒井末春監修、池田書店
・『未来免疫学』
安保徹著、インターメディカル
・『ガンはここまで治せる』
福田稔著、マキノ出版
・『ストレスと免疫』
星恵子著、講談社ブルーバックス
・他

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2012年5月 7日 (月)

自律神経失調症——病気のおこる仕組み——(4)

自律神経のアンバランスは万病の元

 また、自律神経は内臓の働きを調節するだけでなく、免疫を司る白血球の働きをも調整しており、自律神経の乱れがもたらす白血球のアンバランスが、がんや動脈硬化、自己免疫疾患など、さまざまな病気の引き金となることは、本誌の10月号(・334)と本号の巻頭インタビューでくわしく紹介している「福田—安保理論」で明解です。
 ストレスが加わると、自律神経系では交感神経が刺激されてアドレナリンが分泌されます。体がアドレナリン浸けになると、アドレナリンには血管を収縮させて血流障害を引き起こす作用があるため、冷え症、高血圧、心筋梗塞などの循環器系疾患をおこしやすくなります。
 また、ストレスがかかると内分泌系では脳下垂体から副腎皮質刺激ホルモンが分泌されます。副腎皮質ホルモンのコルチゾールにはリンパ球などの免疫細胞を障害する作用があり、また、副交感神経が抑制されることでもリンパ球は減少します。その結果、風邪などの感染症をはじめ、がん、リウマチや膠原病などの自己免疫疾患になりやすくなると考えられています。


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2012年5月 1日 (火)

自律神経失調症——病気のおこる仕組み——(3)

・警告反応期
 生体がいきなりストレスに出合うと、まず「ショック相」を示します。血圧も体温も血糖値も下がり、筋肉の緊張も低下し、胃潰瘍や十二指腸潰瘍がおこりやすくなります。ストレスが生体にとってあまりにも激しい場合は死に至ることもあります。
 しかし、ゴムボールに圧力をかけると跳ね返そうとするように、次の段階では生体もストレスに対する防御反応として「反ショック相」を示します。血圧も体温も血糖値も高まり、筋肉も緊張して、あらゆるストレスに対抗しようとします。
・抵抗期
 さらに圧力をかけるとボールは凹みますが、中の空気圧によってかろうじて持ちこたえます。生体もストレスに対してかろうじてバランスを保っている状態です。しかし、当面のストレスには抵抗を示しますが、その他のストレスには抵抗力が低下してきます。
・疲憊期 さらに圧力が加えられると、ボールは凹んだままで弾力を失ってしまいます。生体もこれ以上耐えることができなくなり、「疲れがとれない」、「不眠」、「うつ」などの深刻な症状があらわれます。

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2012年4月26日 (木)

自律神経失調症——病気のおこる仕組み——(2)

 自律神経の働き まず、自律神経についてご説明しましょう。
 神経系には、手足の筋肉を動かす「運動神経」、痛みなどの感覚を脳に伝える「知覚神経」、そして、内臓や血管、内分泌腺、汗腺などの働きを無意識のうちにコントロールしている「自律神経」があります。
 自律神経は「交感神経」と「副交感神経」からなり、交感神経が優位になると心臓の拍動が増え、血管が収縮して血圧が上がり、心身共に活動態勢になります。一方の副交感神経が優位になると、心臓の拍動は緩やかになり、血管が拡張して血圧が下がり、心身は休息状態になります。
 このように、自律神経は交感神経と副交感神経の拮抗する働きがバランスをとって内臓の働きを調整しています。このバランスが崩れると全身にさまざまな症状が出てくるのです。過剰なストレスが問題 自律神経のバランスを崩す元凶となるのがストレスです。
 ストレスそのものは悪玉ではなく、本来、私たちの体を守ってくれる生体防御反応の一つです。外敵や危機に遭遇したとき、生体は血糖値や血圧を上げてエネルギーを高め、心身を緊張させ、闘争や逃走に備えます。つまり、適度なストレスは人を奮い立たせ、やる気をおこさせるなど、プラスの方向に作用するのです。
 しかし、適応範囲を越えた過剰なストレスや、慢性的なストレスは、生体にマイナスに作用します。
 医学に初めてストレスの概念を導入したカナダのハンス・セリエ博士によると、ストレスとは、ゴムボールを指で強く押したときにボールが凹んでゆがむように、生体にさまざまな刺激が加えられたとき、それを防衛しようとする適応反応がおこって心や体がゆがんだ状態をいいます。
 過剰なストレスが続くと、生体の反応は次のように変化すると考えられています。

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2012年4月25日 (水)

自律神経失調症——病気のおこる仕組み——(1)

 「自律神経失調症」は正式な病名ではなく、原因となる身体的な異常がみつからないさまざまな心身の不調に対して便宜的に用いられている言葉です。
 その症状の多くは不定愁訴として片付けられがちですが、自律神経失調症は、自律神経の交感神経と副交感神経のアンバランスが原因となっておこってきます。

自律神経の異常でおこるさまざまな症状

 自律神経失調症では、だるさやめまいなどの全身症状、不安感やイライラなどの精神症状、その他、頭痛・耳鳴り・肩こり・下痢・便秘など、各臓器や器官ごとにさまざまな症状があらわれます(図)。
 誰でも疲れたときに軽いめまいや頭痛をおこすことはありますが、自律神経失調症ではこうした症状が慢性的になり、日常生活に支障を来すケースも多く見受けられます。しかし、検査をしても明らかな異常は発見されないため、周囲から「気のせい」と言われたり、病院でも鎮痛剤や精神安定剤の処方など、対症療法的な治療しかしてもらえないのが現状のようです。
 この他、腹痛・下痢・便秘などをくり返す「過敏性腸症候群」、立ちくらみやめまいをおこす「起立性調節障害」、突然息苦しくなって過呼吸に陥る「過換気症候群」なども自律神経失調症の仲間とされています。
 これらはすべて自律神経の働きに関係する症状です。自律神経のネットワークは全身に張りめぐらされているので、ある部分が変調をきたすと一見関連のない他の部分にまで影響が及び、一人でいくつもの症状を抱え込んでしまう人も少なくありません。

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2012年4月20日 (金)

膠原病——対策編——(4)

〈注目の成分——DHEA〉
 DHEAは副腎から分泌される男性ホルモンの一種で、思春期以降、加齢と共に減ることが分かっています。
 DHEAを補充することで老化にブレーキをかけたり、成人病や自己免疫疾患の改善効果が期待されており、全身性エリテマトーデスのマウスにDHEAを投与した研究では、検査所見が改善し、寿命が延びたというデータが出ています。
〈酸床、苦味、辛味、アルコールを 賢く利用〉
 酸っぱいもの、苦いもの、辛いもの、アルコールなどは、少量とると副交感神経が刺激されます。これらは一種の″毒〃なので、体が副交感神経を活性化させて血流を増やし、排泄を促すのです。
 効果があるのはあくまでも少量とった時なので、とり過ぎは禁物です。
||・||・||・||・||・||
◎参考文献
『未来免疫学』
安保徹著、インターメディカル刊
『難病を治す驚異の刺絡療法』
福田稔著、マキノ出版刊
『健康は「呼吸」で決まる』
西原克成著、実業之日本社刊、他

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2012年4月19日 (木)

膠原病——対策編——(3)

膠原病の改善に役立つ食事・栄養療法〈血流を良くする食事因子〉

 肉・卵・牛乳などの動物性食品や、紅花油などのリノール酸系植物油は、血液をネバネバにして血流を悪くし、交感神経の緊張を高めるもとになります。
 反対に、納豆や、玉ネギ・ニンニク、脂肪酸ではシソ油や亜麻仁油に多いα−リノレン酸、青魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などが、血液をサラサラにしてくれます。
 水分を常時切らさずチビチビとることも重要です。
〈抗酸化物貿の確保〉
 抗酸化ビタミンACEや、抗酸化酵素を活性化するセレン・亜鉛・銅・マンガン・鉄などのミネラル、植物性生理活性物質のポリフェノール・フラボノイド・カロチノイドなどは、体内で活性酸素の炎症を鎮めます。
 これらの微量栄養素は優れた抗酸化物質であると同時に、次のような働きもあります。
●ビタミンC すでにお話しした通り、ノーマン・カズンズ氏はビタミンCの大量療法で膠原病を克服しました。ビタミンCはコラーゲン(膠原線維)の合成と維持に不可欠で、全身の惨原線維がやられる膠原病では特にしっかり確保したい栄養素です。
●ビタミンE 血行を促進する作用があり、血管の収縮でおこる痛みやレイノー症の改善に役立ちます。
●セレン・亜鉛 胸腺の老化を防ぎ、免疫力を高めます。
●カルシウム・マグネシウム
 強皮症では、皮膚や筋肉、臓器中のカルシウムが過剰になって石灰化していますが、これはカルシウムとマグネシウムの不足で脱灰(骨からカルシウムが抜け出す)が進んでいるためです。
 植物性食品を中心とした昔ながらの伝統的な和食は、カルシウムとマグネシウムのバランスが良いことが分かっています。サプリメント(栄養補助食品)を利用する場合も、それぞれを単独でとるより、両者がバランス良く含まれている総合タイプのサプリメントを選ぶと良いでしょう。

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